2018年09月22日

岩手)本州産クマゲラ、図録に 白神山地に今は姿なく…【朝日新聞デジタル2018年9月22日】

2010年に秋田県の森吉山で繁殖したクマゲラ。生息が危ぶまれている=本州産クマゲラ研究会提供

 日本最大のキツツキで、国の天然記念物クマゲラの生態調査を続けているNPO法人「本州産クマゲラ研究会」(理事長、藤井忠志・岩手県立博物館上席専門学芸員)が、図録「クマゲラ」を出版した。25年にわたる研究会の調査を基に、北東北を中心としたクマゲラの生態や研究の歩みなどを、豊富な写真と共にわかりやすくまとめた。

 同研究会は、岩手のクマゲラ研究団体を母体に1993年に発足。白神山地(青森、秋田)と森吉山(秋田)などを中心に調査研究を継続している。

 その成果などを基に2015年に岩手県立博物館でテーマ展「クマゲラの世界」が開かれた。その内容を図録として残すため、セブン―イレブン記念財団の環境市民活動助成を受けて再編集し、700部限定で8月31日に発刊した。

 A4判158ページのフルカラー。世界と北海道のクマゲラ分布図、東北各地での本州産クマゲラの生息痕跡図をはじめ、クマゲラの営巣や餌やりなどの生態を、展示で使ったパネルなどをもとにまとめた。東北での研究史や、動物分布境界のブラキストン線がある北海道と本州の間でクマゲラの交流はあるのか、などの謎にも触れている。

 クマゲラは直径70〜80センチの巨木が林立するブナ原生林に営巣し1993年に世界自然遺産になった白神山地のシンボル的な存在となった。しかし環境省の調査では白神山地では2011年以降、姿も繁殖も確認されていない。研究会も14年10月に雄1羽を確認したのが最後の記録だ。90年代以降の入山者の増加により、神経質で警戒心の強いクマゲラが営巣地を追われた可能性も指摘されている。

 藤井理事長は「クマゲラの営巣に適した巨木の森は広い白神山地や森吉山でも限られており、絶滅を危惧している。生態系保全の重要性も伝えられたら」と話している。

 クマゲラの巣立ちの様子などを記録した動画のDVD付きで、一部1500円(税、送料込み)。問い合わせはメールで藤井さん(fujii@iwapmus.jp)、または同研究会事務局(019・667・1072)へ。(溝口太郎)
https://www.asahi.com/articles/ASL8Z5415L8ZUJUB00N.html


<白神山地>クマゲラ生息調査強化 生活音など集音器で分析【河北新報オンラインニュース2018年2月15日】
岩手)北東北のクマゲラ、絶滅の危機【朝日新聞デジタル2017年6月25日】
「クマゲラ巣跡確認」と原告側 成瀬ダム建設差し止め訴訟【秋田魁新報2016年9月8日】

タグ:クマゲラ
posted by BNJ at 10:44 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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