2018年09月28日

アマゾンコレクション保護・夢基金 常設展示への支援を【毎日新聞2018年9月28日】

巨大ナマズ「ピララーラ」の剥製を抱えてほほ笑む山口吉彦さん=山形県鶴岡市伊勢横内の出羽庄内国際村で、長南里香撮影
 「世界の宝物を守っていって」−−。2014年3月末で閉館した山形県鶴岡市の「アマゾン自然館」と「アマゾン民族館」の元館長で文化人類学者の山口吉彦さん(76)=鶴岡市陽光町=は、二人三脚でアマゾンの資料を収集し、昨年12月に73歳で亡くなった妻考子(なすこ)さんの遺志を胸に、約2万点の資料を再活用する道を探っている。再び常設展示をするには多額の費用が必要で、資料への価値を共感できる人たちから幅広く支援を受けられるよう、年内をめどに法人を設立する考えだ。山口さんは「自然と人間の共生を未来の子供たちに伝えたい」と話している。【長南里香】

 ペルー大使館付属学校の教師だった山口さんは1971年から約十数年をかけ、考子さんとともにアマゾン奥地のインディオ集落で資料を集めた。76年に考子さんがブラジル・ベレンの日本領事館付属学校の教師に採用されたことを機に調査と研究が加速。「急速に開発が進んでいたアマゾンで、最後のチャンスだと思った」(山口さん)と、インディオの酋長(しゅうちょう)らを訪ねて交流を深めた。赤や青色の大型鳥類「コンゴウインコ」の鮮やかな羽で作った呪術用の頭飾りや仮面、アルマジロの剥製、ワシントン条約で国際取引が禁止される以前の動物や昆虫の標本、民俗資料など、世界有数のコレクションになった。「考子とでなければ、なしえなかった」と振り返る。

 資料はアマゾン自然館とアマゾン民族館で展示されたが、行財政改革の一環で閉館。国内の展示会などに一部を貸し出すことはあるが、現在は民族館のあった市有施設の収蔵庫を借りる形で保管している。だが、収蔵庫の利用期限は来年3月までと迫っている。

 山口さんは16年10月、知人らと「アマゾンコレクション保護・夢基金」を設立、全国から約400万円の寄付が届いたが、常設展示施設の建設資金には遠く及ばない。乳がん治療を続けてきた考子さんは昨秋ごろ体調が悪化。山口さんは「亡くなる直前まで(考子さんは)『必ず役に立つ時が来る。私たちの子どもだと思って、どうか大事にして後世に伝えてほしい』と訴えていた」と声を詰まらせる。

 今年9月2日、ブラジル国立博物館で収蔵品の多くが焼失する火災が起きた。アマゾンに詳しい国立民族学博物館(大阪府吹田市)の中牧弘允名誉教授(宗教人類学)は「今後、国際的ネットワークを通じて日本に何らかの文化的支援が求められるかもしれない。その意味でも、山口さんらの資料は二度と手に入らない貴重なものばかり。維持し継承していってほしい」と話す。資料が再び活用されることを願い、山口さんの歩みは続く。
https://mainichi.jp/articles/20180928/k00/00e/040/202000c

http://archive.is/ZNQti

posted by BNJ at 10:54 | Comment(0) | 鳥類一般ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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