2018年10月22日

羽の柔らかさ 木で再現【読売新聞2018年10月22日】

野鳥彫刻に取り組む山崎さん(甲賀市で)
野鳥彫刻の世界選手権中級の部で1位となった「カワセミ」

 ◇バードカービング(野鳥彫刻)作家 山崎 寿明さん 76

 本物の鳥のように羽がふわっとして見え、剥製はくせいなのか、木なのか触って確かめてみたくなるような彫刻作品を作り続けて25年、作り上げた野鳥の姿は30〜40種類になる。

 ハスのつぼみの先に止まり、獲物を狙うカワセミの姿を表現し、2014年にアメリカ・メリーランド州で開かれた世界選手権中級の部で1位となった作品を甲賀市役所に寄贈。ロビーに展示され、来庁者が見入っている。

 バードカービングとの出会いは51歳の頃、テレビ番組を見て興味を持った。早速、本を買い、自己流で始めた。設計図を見ながらナイフと彫刻刀を使って木材を削り、色を塗って仕上げた第1作はモズだった。ある作品展に出したが、来場した子どもが驚いた様子で、「モズの色が違う」と学芸員に話す声が聞こえた。

 「これではだめだ」。悩む中で、所属する関西バードカービングクラブの仲間から紹介されたのが、野鳥彫刻の第一人者で山梨県在住の清水正広さん。1997年、清水さんの工房で本格的に技術を身につけることを決意した。以来、勤め先の夏季休暇や有休を活用して足を運び、地元で工房に通う人にも負けない強い気持ちで習い続けた。

 鳥によって違うくちばしの長さや目の角度、羽の形、骨格、色合いなど、細部に至るまで細かくノートに書き込んだ。蓄積したデータを基に、技術はめきめき向上。それでも、「清水さんにほめられたことは一度もなかった」という。

 基本を覚えるのに10年かかったが、2008年にオオルリの写真などを参考に特徴を表現し、初めて世界選手権初級の部に出展。見事、2位になった。

 甲賀市役所に寄贈したカワセミは、電動工具で削り、絵の具で細部の毛の柔らかさまで表現している。世界選手権中級の部1位の評価にも、「外国の人は器用ではないと言われるが、どの作品も精巧で驚くほど美しく作られた作品に身震いがした」と謙虚に振り返る。17年には上級の部で4位に入賞した。

 手がけた作品は多数あるが、「時間をかけて作った作品は手放すのが惜しい。どうしても欲しい人にはプレゼントしている」という。

 現在は、大阪、京都のよみうり文化センターや、大津市内でバードカービングを指導している。「取り組む人はまだまだ少ない。生徒にこれまで蓄積した技術をすべて伝え、バードカービングの魅力を広めたい」と意欲は衰えない。

 今、世界選手権上級の部1位を目指し、新作に挑んでいる。(清水貞次)

 バードカービングは、カモなど水鳥の狩猟の際、本物のように見せて、水鳥をおびき寄せるため、1800年頃からアメリカで使われていたのが発祥とされる。アメリカでは趣味として定着しており、日本では1980年頃に紹介され、全国に広まっている。
https://www.yomiuri.co.jp/local/shiga/feature/CO028716/20181021-OYTAT50032.html

http://archive.is/pbAYh

posted by BNJ at 21:32 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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