2018年10月28日

【かながわ美の手帖】岡田美術館開館5周年記念展「美のスターたち」【産経ニュース2018年10月28日】

 □「美のスターたち−光琳・若冲・北斎・汝窯など名品勢ぞろい−」

 ■東洋の絵画・焼き物 収蔵名作を一挙紹介

 箱根町の岡田美術館が開館5周年記念展「美のスターたち−光琳・若冲・北斎・汝窯(じょよう)など名品勢ぞろい−」を開いている。同館が過去5年間に開催した計14回の企画展で、目玉となった作品を一度に紹介する、いわば“ベスト盤”の展覧会だ。通常、常設展示コーナーとしている場所も活用し、収蔵作品の中から約450点を展示。同館が誇る名画や名陶の数々を鑑賞することができる。


 ◆室町から江戸まで

 同館が本展で最も力を入れている展示の一つが、いずれも大正15年に、3人の画家が描いた3作品を紹介しているコーナーだ。そのうちの1作、速水御舟(ぎょしゅう)「木蓮(もくれん)(春園麗華)」は、天に向かって伸びる木蓮を写実的に描いた作品。墨の濃淡だけで表現するモノクロ作品だが、長く見つめていると、葉は緑色に、花は赤く色づいているように見えてくる不思議な絵だ。

 早春の冷たい空気感まで伝わってきそうな作品で、同館学芸課長の小林優子は「日本の水墨画の歴史の中で最高傑作の一つに挙げられる。気高く、背筋が伸ばされるような気持ちになる」と評している。

 ほか2作は、ライバルだった小林古径の墨画「麦」、横幅約9メートルに及ぶ横山大観の大型作品「霊峰一文字」。同時代を生き、影響を与え合った巨匠らの関係に、思いをめぐらせてみるのも面白そうだ。

 数ある屏風(びょうぶ)の中で目を引くのは、室町時代の絵師、狩野元信の「四季花鳥図屏風」。初期狩野派の傑作だ。六曲一双(6面屏風が1対)の縦約1・5メートルの大きな屏風で、左隻と右隻を並べると、横幅は約7メートルにも及ぶ。


 左隻は、鶴の頭とツバキの花の赤が、水墨の落ち着いた色調の中でワンポイントとなって絵を引き立てている。右隻には異国の動物・ジャコウネコ。滝の音に振り返る様子だといい、口をポカンと開けている。毛並みの質感まで伝わってきそうな精細な筆致だ。

 江戸時代中期の絵師、伊藤若冲の「孔(く)雀(じゃく)鳳(ほう)凰(おう)図」は「孔雀図」と「鳳凰図」の2作で1組の作品。並べると、松の木に止まる鳳凰と孔雀が向かい合う構図になる。鳳凰は赤、孔雀は白を基調として描き、色の対比が美しい。鳳凰が政治の安定、孔雀が富み栄える経済を示し、繁栄する世を表現するめでたい絵だという。

 ◆日本や中国に軸足

 江戸時代前期の尾形光琳「雪松群禽図(せっしょうぎんきんず)屏風」もきらびやかだ。水辺でカモやガンなど13羽がたわむれている。松や草には雪が積もり、金色の背景が雪晴れのまばゆさを表しているという。目を丸く見開いて飛んでいたり、羽を休めていたりなど、それぞれの鳥が生き生きとしており、いまにも羽音や鳴き声が聞こえてきそうだ。


 この作品は同館のコレクションの契機となったものだという。名誉館長の岡田和生が、同作の入手によって東洋美術作品を収集することの意義を確信。以後、西洋美術中心から、日本や中国の焼き物や絵画などに軸足を移したという。

 同館は平成25年に開館し、累計来場者数は40万人を突破している。館長の小林忠は「ささやかな数字だが、ようやく積み上げた」と振り返り、「作品はなるべく詳しく解説し、タッチパネルでは子供向けにもやさしく説明している。家族で来ていただけたら、うれしい」と笑顔を見せた。 =敬称略(外崎晃彦)

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 開館5周年記念展「美のスターたち−光琳・若冲・北斎・汝窯など名品勢ぞろい−」は岡田美術館(箱根町小涌谷493の1)で31年3月30日まで。開館は午前9時から午後5時(入館は午後4時半まで)。12月31日と1月1日は休館。入館料は一般2800円ほか。問い合わせは同館((電)0460・87・3931)。
https://www.sankei.com/region/news/181028/rgn1810280024-n1.html

http://archive.is/TYwLQ

posted by BNJ at 11:15 | Comment(0) | 鳥類一般ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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