2018年11月06日

中池見湿地 環境監視へ【読売新聞2018年11月6日】(ノジコ/クマタカ)

中池見湿地の水源の一つの深山で進められているトンネル建設の準備工事(敦賀市で)=笹木進さん提供


 ◇北陸新幹線トンネル建設で 鉄道・運輸機構計画

 ◇悪影響回避 水質など確認

 ラムサール条約に登録された敦賀市樫曲の中池見湿地付近で計画されている北陸新幹線のトンネル建設で、事業者の鉄道・運輸機構は、工事による湿地への悪影響を回避、低減するための環境管理計画を策定した。水や動植物を巡る環境の変化を把握するための監視、万が一湿地の水位が低下した場合の応急的な水位回復措置といった取り組みも定めている。(藤戸健志)

 中池見湿地は、中央部に地下約40メートルに及ぶ泥炭層がある。キタノメダカやゲンゴロウ、デンジソウ、ミズトラノオといった絶滅危惧種が多数生息し、日本でしか繁殖が確認されていない渡り鳥・ノジコの重要な中継地とされてもいる。

 機構によると、トンネルは全長768メートルで、12月頃に着工、2020年夏頃に完成する予定。建設する深山は条約に登録された範囲内にあり、湿地に流れる地下水の水源の一つとなっている。

 工事で湿地の水環境が悪化することなどが懸念されており、機構は16年、動植物や魚類、地盤工学などの専門家ら11人の専門委員会を設置。今後の工事で想定される影響や対策などについて審議してきた。

 計画では、条約の登録範囲(87ヘクタール)と周辺の約2・2平方キロを対象とした。トンネルに地下水を引き込まないよう周り全てを防水シートで覆う「非排水構造」に工法を変更。地下水の流れなどに影響がありうる場合は予防的措置を講じることや、不測の事態が生じた場合の緊急対策を事前に策定するなどの三つの基本方針を基に、具体的な取り組みを定めた。

 具体的には、14年度に始めた地下水の水位や流量、水質などの確認を引き続き実施し、水質分析の頻度も年4回に倍増する。工事の影響を直接受ける可能性のあるクマタカなど4種の猛禽もうきん類やノジコも変化がないか見守る。湿地の生態系を特徴づけるキタノメダカなど14種類は、工事期間中に監視を行う。

 トンネル掘削などで湿地への悪影響が疑われる場合は、原因を分析して専門委で対策を検討。湿地の水位が低下した場合は、仮設の管から水を流し込むなどの応急措置を行うという。

 計画について、湿地の保全に取り組むNPO法人ウエットランド中池見事務局の笹木進さん(76)は「水環境を重視する姿勢がうかがえる点は評価できる。しかし、湿地への影響を監視する態勢が少し弱いように感じる」と話した。

 機構は「監視は工事完了後も一定期間行い、終了時期は専門委で審議して決める」としている。
https://www.yomiuri.co.jp/local/fukui/news/20181105-OYTNT50419.html

http://archive.is/kVVkb

posted by BNJ at 11:27 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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