2018年11月07日

山口)ツル来い 地元やきもき 八代盆地【朝日新聞デジタル2018年11月7日】

市鶴いこいの里交流センターの掲示板=2018年11月6日午前10時42分、山口県周南市、三沢敦撮影

 本州唯一のナベヅルの越冬地、山口県周南市の八代盆地に今季第1陣として飛来した2羽の行方が分からなくなって7日で1週間。受け入れ準備を整えてきた地元でツルが「ゼロ」の事態が続いている。2羽はどこへ消えたのか。第2陣はいつやって来るのか。

 「まだ来んか」「やれ、寂しいことじゃのう」

 6日、給餌田(きゅうじでん)のそばにある野鶴(やかく)監視所。住民が立ち寄っては、監視員に第2陣の飛来を尋ねていく。

 10月27日に飛来した第1陣の2羽が3日後にいなくなって以来、ツルが現れないためだ。過去の記録で初飛来が最も遅かったのは11月7日で、それ以降に1羽もいない事態は前例がない。「きょうあしたが勝負じゃ」と住民は気をもむ。

 2羽はなぜ八代を離れたのだろうか――。

 「いなくなる予兆はあった」と監視員は振り返る。第1陣としてここ数年、飛来する家族ヅルが舞い降りるのは、監視所前の給餌田。だが、この2羽は西側の水田を選んだ。

 水田は、給餌田での縄張り争いに敗れたツルが飛び去るのを、引き留めるために設けた餌場。弱いツルをかくまう効果があるデコイ(ツルの模型)20体を設置している。給餌田に居座って他のツルを追い出してきた家族ヅルとは、別のツルの可能性が高かった。

 滞在中も落ち着きがなく、何度か高く舞い上がった。そして30日午前11時ごろ、風に乗って飛び立ったままついに消息を絶った。

 市鶴いこいの里交流センターの担当者は「別の越冬地へ向かう途中、餌を求めて立ち寄った可能性が高い」と推測する。山あいにあるねぐらの場所を知っていたため、飛来経験のない新参ではなさそうだが、国内最大の越冬地として知られる鹿児島県出水市などへ向かったとみられる。

 南下や北上の途中で立ち寄るケースは各地であり、県内でも今季、周防大島町や光市で目撃例がある。八代でも例年、北へ帰るツルが春先に飛来する。だが、地元が待ち望むのはあくまで越冬してくれるツルたちだ。

 センターによると、1940年に355羽を数えた飛来数は次第に減少。2008年には4羽まで落ち込んだ。環境の整備などでやや持ち直しているが昨季も9羽にとどまった。それでも、越冬しなかった年は過去になく、「越冬地」としての名目はかろうじて保たれてきた。

 担当者は「2羽の飛び去りは想定の範囲内で、大きな心配はしていない」としながら、「今はただ第2陣、第3陣の飛来を待つしかない」と話した。(三沢敦)
https://www.asahi.com/articles/ASLC63V8CLC6TZNB00C.html

http://archive.is/OZXq7

ナベヅル 飛来の2羽、飛び去る 周南・八代地区 /山口【毎日新聞2018年11月1日】
四万十市でナベヅル12羽今季初確認【高知新聞2018年10月31日】

posted by BNJ at 11:16 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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