2018年12月18日

野生生物を呼び戻す、オランダで人工島建設【AFPBB News2018年12月18日】

オランダのマイケル湖に造られた人工群島マルケル・ワッデン(撮影日不明)。(c)Bram van de Biezen / ANP / AFP
オランダのマイケル湖に造られた人工群島マルケル・ワッデン(撮影日不明)。(c)Bram van de Biezen / ANP / AFP
オランダのマイケル湖に造られた人工群島マルケル・ワッデン(撮影日不明)。(c)ANP / AFP
オランダのマイケル湖に造られた人工群島マルケル・ワッデン(撮影日不明)。(c)Bram van de Biezen / ANP / AFP
オランダのマイケル湖に造られた人工群島マルケル・ワッデン(撮影日不明)。(c)ANP / AFP
オランダのマイケル湖に造られた人工群島マルケル・ワッデン(撮影日不明)。(c)Bram van de Biezen / ANP / AFP
オランダのマイケル湖に造られた人工群島マルケル・ワッデン(撮影日不明)。(c)ANP / AFP
【12月18日 AFP】オランダ人警備官のアンドレ・ドンカー(Andre Donker)さんは、欧州最大級の淡水湖、マルケル湖(Markermeer)の波打つ灰色の水面を眺めながらため息をつく。「昔はここに魚がうじゃうじゃいたものだ」と、ドンカーさんは回想する。

 だが、オランダの他の地域の水位を調節するこの面積約700平方キロの広大な湖は、最近まで水生生物のいない濁った水の塊にすぎなくなっていた。

 現在、五つの島からなる人工群島によってこの地域に自然を取り戻すことが期待されている。この群島は、何世紀にもわたり海との闘いを続けてきた低地国オランダの典型的な大規模土木計画を通じて新たに建造された。

 これは「欧州最大級の再野生化活動の一つだ」と、ドンカーさんは話す。

 さまざまな種類のアシが植えられた試験区画の中央にある池にかかる木橋の上に立ち、ドンカーさんは生物多様性が増加している最初の兆候を確認できていると指摘する。

■「やむなく介入」

 この湖はかつて、1932年に完成した驚異的な土木開発計画が実施されたゾイデル海(Zuiderzee)の一部だった。この計画では、北海(North Sea)から切り離して洪水に対処する目的で、広範囲の海域を堤防で閉鎖した。

 国土の26%が海水面より低い国にとって不可欠だったこの計画により、海を埋め立ててできた土地の干拓地と内陸の湖が形成されたが、これには自然環境の犠牲が伴っていた。

 その後数十年にわたり、マルケル湖と隣接するアイセル湖(IJsselmeer)を隔てる堤防の建造に使われた堆積物が浸食され、湖底に沈んでいった。これにより湖の水が濁り、魚や鳥の個体群や植物、軟体動物などに悪影響が及んだのだ。

「われわれが介入せざるをえなかった」と、ウールの帽子をかぶったドンカーさんは、北海から吹き付ける強風をものともしない様子で話す。

■脆弱性との闘い

 解決策は、「神は世界を創造し、オランダ人はオランダを創造した」と豪語するのが好きな国民の国にふさわしい大胆なものだった。

 オランダ・レリスタット(Lelystad)の港から8キロに位置する人工砂丘の側面を、ドンカーさんは歩いていく。その向こうには、他の同じような砂丘が見渡す限り広がっている。

 湖の中に新たに造られた700ヘクタールの土地の大部分にはまだ植物がまばらにしか生えていない。

 小島建造計画は、気候変動に対して世界で最も脆弱(ぜいじゃく)な国の一つとされるオランダが取り組んでいる多くの計画のうちの一つだ。

■「プランクトンの急増」

 2年半で建造された五つの小島は今年、ツバメ3万羽の休息地としての機能をすでに果たしている。

 専門家らが最近実施した集計調査では127種の植物が確認されたが、その大半は風で運ばれる種によって持ち込まれたものだ。

 水中ではプランクトンの「急増」が起きており、これによって「鳥のための大量の餌が保証される」と、ドンカーさんは話した。50代のドンカーさんの日に焼けた顔は、この仕事に20年間従事してきた証しを示している。

 ハイイロガンやアジサシ、ダイサギやゴイサギなどの数種の渉禽(しょうきん)類などの野鳥も戻って来ており、人工島の成功を立証している。

■「美しい景色」

 遠方では、浚渫(しゅんせつ)船が「マルケル・ワッデン(Marker Wadden)」と呼ばれる人工群島の最後の砂丘の造成を支援している。

 自然保護に取り組むオランダのNGO「ナチュールモニュメンテン(Natuurmonumenten)」が主導するこの計画の費用は6000万ユーロ(約77億円)で、その大半は個人からの寄付で賄われている。

 群島を建造したオランダ海洋土木大手ボスカリス(Boskalis)でプロジェクトを指揮したイェルン・ファン・デル・クロースター(Jeroen van der Klooster)氏は「この人工島の独自な点は、島を造るのに沈泥を使っていることだ」と説明する。沈泥は粘土と砂の中間の粗さの堆積層。

 ファン・デル・クロースター氏のチームは、群島の主島に全長1200メートルの「回廊」を掘った。これにより、沈泥が強力な海流に導かれ、渡り鳥の餌場になる可能性のある湿地、肥沃土、貯水池などを形成することが可能になる。

「そのようにして、この美しい景色が生まれた」と、オレンジ色のベストと白いヘルメットを身につけたファン・デル・クロースター氏は木製の観察塔の上で語った。

 木製の野鳥観察所3か所、島の監視員の宿舎、12キロにわたる歩道橋と未舗装道路なども建設された主島は、一般に公開されている。

 残りの4島は、野生生物と植物だけのものとなる。かつて不毛だった場所が今や自然に返ったのだ。
http://www.afpbb.com/articles/-/3202781
http://www.afpbb.com/articles/-/3202781?page=2
http://www.afpbb.com/articles/-/3202781?page=3

http://archive.is/leJiV
http://archive.is/okfMc
http://archive.is/1OUoV

posted by BNJ at 21:56 | Comment(0) | 海外の鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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