2018年12月20日

イヌワシの森、再生へ本腰【読売新聞2018年12月20日】

「南三陸のシンボル取り戻す」…民有・国有林官民で管理
住民向けシンポジウムで、イヌワシの生態などを説明する南三陸ネイチャーセンター友の会の鈴木さん(8日、南三陸町役場で)
南三陸町内で巣立ったイヌワシ(町提供)
 絶滅危惧種で国の天然記念物・イヌワシの生息地を再生するプロジェクトが、南三陸町で本格化している。同町では2012年からイヌワシのつがいの姿が見られなくなったといい、すみかとなる森林の環境改善が課題となっていた。そこで、官民を挙げて民有林と国有林を共同管理する国内初の取り組みを進め、町にイヌワシを呼び戻す。

 イヌワシは翼を広げると2メートルにもなる大型の猛禽もうきん類で、行動範囲は約6000ヘクタールにも及ぶとされる。年々数は減少しており現在、国内に生息するのは推定約500羽という。

 同町のほか、登米市や石巻市などの南三陸地域は古くからイヌワシの生息地として知られてきたが、同町では東日本大震災後の12年頃からつがいの姿が見られなくなった。絶滅危惧種の保全活動などを行う公益財団法人「日本自然保護協会」(東京)によると、イヌワシは上空から野ウサギやヤマドリなどの小動物を捕獲するが、山林の樹木の密度が高くなって狩りができないため、すみかを移してしまうという。

 町内の森林は国、町、民間がそれぞれ所有しており、これまで一体的な整備が進まなかった。そこで今回、まずは山林を所有する町内の林業会社「佐久」と、国有林を管理している東北森林管理局(秋田)が、長期にわたり適切な管理を推進する森林計画を定めることとした。

 対象地域は佐久が保有する約120ヘクタールの林と、同局が管理する国有林約3000ヘクタールで、岩手県境の北上山地に生息するイヌワシのつがいを呼び寄せ、繁殖させることを目標にする。林の大部分を伐採する「皆伐かいばつ」や、樹木の再植林に一緒に取り組むことで、イヌワシがすみやすい生息環境の再生を目指す。

 また、伐採した木材を搬出するための作業道を官民で共有したり、木材を共同出荷したりと、林業の効率化も期待できるという。

 同協会の出島誠一さん(43)は、「森の生態系の頂点に君臨するイヌワシが戻ることは、豊かな森林の証しでもある」と強調する。佐久の佐藤太一専務(34)は、「町のシンボルを取り戻すために、国や町と協力していきたい」と話した。同社は既に計画を策定し、同局は来年3月末までに計画をつくる予定。町も今後、取り組みに参画する。

 イヌワシの再来に期待するのは住民も同じだ。11月には、山火事の延焼を防ぐための「火防線」を作りながらトレイルランニングを楽しむ「南三陸イヌワシ火防線トレイル」が町内で開かれた。自然をテーマに教育活動を進める「南三陸ネイチャーセンター友の会」が企画し、全国の参加者が町内の尾根筋約10キロを走り抜けた。

 火防線も林業の衰退とともに管理されなくなり、数十年前から雑木林になっている。友の会では今後も火防線の整備を行っていく予定で、会長の鈴木卓也さん(47)は「草地を切り開くことで生物の多様性も取り戻せる。楽しみながらイヌワシを呼び戻したい」と話した。(宇田和幸)
https://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/news/20181220-OYTNT50034.html

(フォト)イヌワシ繁殖地、再生へ 宮城の山で官民連携【朝日新聞デジタル2018年12月25日】
イヌワシの数は推定500〜650羽で絶滅が危ぶまれている=日本自然保護協会提供

 北上山地の南部にそびえる宮城県・翁(おきな)倉山(標高532メートル)は、国の天然記念物イヌワシの繁殖地として知られていた。だが、最近ではつがいの姿が見られなくなっている。周辺で林業を営む国と民間企業が足並みをそろえて森林計画を作り、繁殖地を再生する方針を今月発表した。対象は翁倉山周辺の石巻市、登…
https://www.asahi.com/articles/DA3S13827221.html

イヌワシの森、再び 宮城・南三陸の企業と東北森林管理局、繁殖地再生目指し連携【河北新報オンラインニュース2018年12月8日】
 宮城県南三陸町で林業を営む「佐久」と東北森林管理局は7日、国天然記念物イヌワシの繁殖地再生を目指して連携すると発表した。同管理局によると、官民協同で森林計画を策定するのは全国初という。

 対象地域は、石巻、登米、南三陸3市町にまたがり、繁殖地として知られる翁倉(おきなぐら)山(531メートル)を中心に半径約10キロの範囲内にある同社管理の民有林約120ヘクタールと国有林約3000ヘクタール。作業用の林道や木材置き場を相互利用し、木材の共同出荷にも取り組む。
 イヌワシは羽を広げた長さが2メートル近くになり、餌狩り場となる空き地を山林内につくる必要がある。行動半径が広いため、両者は協力して計画的な伐採や植樹を進め、生息環境の改善と保全を図る。
 佐久は既に森林経営計画を策定。同管理局は来年3月末までに実施計画を作り、4月から協調して具体的な管理を始める。対象地域に林地を所有する南三陸町も今後、参画する意向だ。
 日本自然保護協会(東京)によると、同地域ではかつて4組のつがいが生息していたが、近年は1組しか確認されていない。
 宮城県庁で7日記者会見した佐久の佐藤太一専務は「自然環境と両立する林業を目指しながら、町の象徴のイヌワシを呼び戻したい」と話した。日本自然保護協会の担当者は「管理者が入り組む地域での連携には意義がある」と強調した。
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201812/20181208_13016.html

http://archive.is/LmiNU
http://archive.is/b7lai
http://archive.is/CGbcm

タグ:イヌワシ
posted by BNJ at 21:26 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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