2019年01月09日

市川市で「カラス条例」施行 ゴミ集積所、適正な管理を 「違反者公表」問われる実効性【日本経済新聞2019年1月9日】

千葉県市川市で1月1日に「カラス被害防止条例」が施行された。カラスによるゴミの散乱被害を防ぐため、集合住宅の所有者などにゴミ集積所の適切な設置や管理を求め、違反者には改善命令や氏名公表を含む制裁措置も明記した。今後は条例の適切な運用とその実効性が問われる。

カラス被害防止条例は昨年6月、市川市議会で賛成多数で可決、成立した。同条例では市長の責務として「カラス被害対策指針」の策定や、カラス被害対策に関する情報収集、市民や事業者への情報提供などを規定する。

同条例が特に重点を置くのが、マンションやアパートなど集合住宅で設置するゴミ集積所の管理だ。集合住宅の所有者などにはゴミ集積所の適正な管理を求め、違反者には市長が改善を指導。従わない状態が続くと改善勧告、改善命令、公表と進む。公表には住所や氏名も含まれ、市のホームページなどに掲載される。

市川市では2000年ごろからカラスによるゴミ散乱被害や人への威嚇行動が目立ち始めたという。これまでも、ゴミ出しルールの徹底を促す啓発文書の配布や看板の設置などを実施してきたが「強制力を伴わない行政指導が限度だった」(自然環境課)。17年8月に実施した調査によると、市内約2万2200カ所の集積所のうち約1900カ所で不適切なゴミ出しが確認されている。

市は18年12月からカラスの生息数や生息場所、行動範囲などを把握するための調査を開始。今後は個別のゴミ集積所でのカラス被害や、繁殖期など季節ごとの実態調査を重ね、19年中に具体的な施策や推進体制を盛り込んだ「カラス被害対策指針」を作成する方針だ。

今後の課題は条例の市民への周知に加えて、被害対策の実効性をどう担保するかに移る。市側は「公表」を含む制裁措置について「あくまでも違反行為への抑止力であり、実際の行使には慎重に対応する」(同)という立場だ。一方で条例制定を主導した中村義雄市議は「悪質な事例では毅然と公表し、市として積極的に取り組む姿勢を示すべきだ」と強調する。

自治体によるカラス対策を巡っては、奈良市や大阪府箕面市などで餌やりを禁止した条例があるが、適正なゴミの排出や集積場の管理を定める条例は全国初とみられる。01年からカラス対策に取り組む東京都では、餌やりの防止やゴミ対策のほか、捕獲や巣の除去を継続的に実施。17年度のカラスの生息数(都内)は8600羽と、01年比で4分の1まで減少した。

日本のカラス研究の第一人者で宇都宮大の杉田昭栄特命教授は「東京都は区とも連携し、15年以上の長期戦でカラス被害を減らすことに成功した。市川市でも根本的な解決には周辺自治体と連携した広域での取り組みが重要となる」と指摘する。

(飯塚遼)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO39722960X00C19A1L71000/

http://archive.is/w6Tka

posted by BNJ at 20:56 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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