2019年02月19日

質問なるほドリ なぜ動物園でライチョウ飼育? 絶滅防止へ人工繁殖 野生復帰目指す=回答・五十嵐和大【毎日新聞2019年2月19日】

ニホンライチョウのオス=長野県の前穂高岳で1995年7月、平田明浩撮影
 なるほドリ もうすぐ動物園でライチョウに会えるんだって?

 記者 東京の上野動物園など国内5カ所の動物園・博物館で来月中旬から、国の特別天然記念物で絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)のニホンライチョウが一般公開されます。環境省は2015年から、これらの施設と協力して人工飼育(じんこうしいく)を進めてきました。ライチョウは人の動きなどに敏感で、限られた非公開のケージで飼っていました。その後、順調に繁殖(はんしょく)し、5施設で29羽になったこともあり、広いケージへ移し、来場者に見てもらうことになりました。公開は15年ぶりで、人に慣れる訓練をして、まずは各施設1〜2羽ずつ公開する予定です。

 Q どうしてライチョウを動物園で人工飼育しているの?

 A 生息数が急激に減り、絶滅する前に人工的に増やすためです。ライチョウは北アルプスや南アルプスなど、標高2000メートル級の限られた高山帯にしか生息できません。しかし最近では、キツネやカラスといった天敵(てんてき)に食べられるなど生息環境が悪化し、2000羽以下に減ったといわれています。環境省は絶滅を回避するため、人工的に繁殖して生息数を増やし、ゆくゆくは再び自然に放して定着させる「野生復帰(やせいふっき)」をする方針です。登山客が捨てたごみに天敵が集まることから、その対策も併せて進めていきます。

 Q 他にも野生復帰を目指している動物はいるのかな。

 A 有名なのは、同じ鳥類のトキやコウノトリですね。トキは国内産が絶滅した後、中国から贈られたトキを増やして08年から新潟県・佐渡(さど)島で放鳥。順調に生息数を増やしています。コウノトリも生息数が激減したため、兵庫県豊岡市で飼育・放鳥し、今では全国各地で目撃されるようになりました。ライチョウも以前のように、多くの山々で見られるようになるといいですね。(科学環境部)

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