2019年03月13日

ヤイロチョウ営巣 撮影成功【読売新聞2019年3月13日】

横瀬川ダム周辺の山林で撮影されたヤイロチョウ=国土交通省提供
工事が進む横瀬川ダム(宿毛市で)
絶滅危惧IB類
宿毛・横瀬川ダム周辺 「自然配慮した工事 奏功」
 国土交通省中筋川総合開発工事事務所が昨年、四万十川水系横瀬川に建設している「横瀬川ダム」(宿毛市山奈町山田)周辺の山林で、環境省のレッドリストで「絶滅危惧IB類」に指定されている県鳥・ヤイロチョウが営巣している姿の写真撮影に成功した。同ダム周辺では1937年、国内で初めてヤイロチョウの繁殖を確認。ヤイロチョウの飛来する時期に、夜間工事が実施されていたため、営巣への影響が心配されていたが、8年連続で生息が確認できた。(広浜隆志)

 同工事事務所が先月、同ダム建設工事による環境への影響を審議する「横瀬川ダムモニタリング委員会」で報告した。

 報告によると、写真は昨年6月21日、ダム周辺の山林で調査員が撮影。ヤイロチョウは、警戒心が強く、山林の地面に営巣するため、無人カメラで撮影されることはあるが、樹上の姿は非常に珍しいという。

 ヤイロチョウは5月頃、東南アジア方面から渡来し営巣して産卵。ひなを育て、7月上旬から下旬にかけて南へ旅立つ。

 横瀬川ダム周辺では、昨年5月14日に鳴き声を初確認し、7月12日を最後に計9569回の鳴き声と、鳥同士の会話「鳴き交わし」が10回確認できた。さえずりの確認地点の違いから、ダム周辺では、3組のつがいが営巣して子育てをしていた可能性があるという。

 このほかダム周辺では、森林の生態系の頂点に立ち「森の王者」と呼ばれるクマタカ(環境省絶滅危惧IB類)の2羽が飛び、求愛行動をする姿が確認できた。サシバ(同絶滅危惧2類)、オオタカ(同準絶滅危惧)、ハチクマ(同)などの猛禽もうきん類の飛来も確認した。

 同ダム工事は、2017年5月からダム本体を建設するコンクリート打設を開始。夜間工事のため、ヤイロチョウをはじめ、野生動物への影響が心配されていた。このため、夜間照明をできるだけ落として、山林に照射しないようにし、低騒音・低振動の建設機械を導入、工事用車両の走行速度を時速30キロ未満に制限し、地面の段差はゴムマットを敷いて解消するなど配慮した。

 モニタリング委員会のメンバーで日本鳥類保護連盟専門委員の石川和男・松山東雲女子大名誉教授(動物生態学)は「自然環境に配慮した工法が功を奏し、ヤイロチョウへの影響は最低限に抑えられた」と評価。「ダム周辺にタカが生息するのは、豊かな自然が残されている証拠。完成後は、野鳥観察など、自然に親しめる場所として活用してほしい」と提言した。
https://www.yomiuri.co.jp/local/kochi/news/20190312-OYTNT50155/

posted by BNJ at 10:57 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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