2019年06月27日

どうぶつ 落ちたヒナを拾わないで【毎日新聞2019年6月27日】

 シジュウカラやツバメ、ヒヨドリなどのヒナが巣立ちの季節を迎えている。中には地上に落ちてしまうものもいる。公益財団法人「日本野鳥の会」(東京都品川区)は「手を出さず、その場をそっと離れて」と呼びかけている。

 ●近くに親鳥

 春から夏にかけてのこの時期、一人前になるためにヒナは親鳥とともに飛び方や餌の取り方、危険なものから身を守る方法などを学ぶ。中には、うまく飛べなかったりして地上に落ちてしまうこともある。こうした「巣立ちビナ」を、善意から動物病院に持ち込む人もいるだろう。

 だが、その近くには親鳥がいて見守っているケースが多い。鳴き声で気づいた親鳥が餌を与えるなどして、無事に飛び立てることもある。ヒナが地面に落ちても親鳥の子育ては続いている。

 ●手出しは無用

 野鳥の会は「みまもって、野鳥の子そだて」と記したポスターなどを使った啓発活動に、関係団体とともに20年以上取り組んできた。そもそも野鳥を捕まえたり飼ったりすることは鳥獣保護法で禁じられ、拾って保護することはできない。ヒナが動き、けがのない時は、そのままにしておこう。

 毛が生えそろっていないヒナが持ち込まれた経験がある都内の獣医師は「人間が手を出すよりも自然界に置く方が、生存率が良い。生態系全体への影響を考えると、『かわいそう』という理由で手を差し伸べるべきでない」と指摘する。近年ではヒナの持ち込み件数は減っているが、獣医師の世界では珍しいことではないという。

 ●近くの植え込みに

 野鳥の会普及室の井上奈津美さん(27)も、地面に落ちているヒナを見かけたことがある。「心配になるのはよく分かるが、どうすることがヒナのためになるのかを知ってもらいたい」と話す。

 そのまま放っておくと危ないと感じた場合は、どうすればいいのか。カラスなどに襲われそうだったり、車が頻繁に通ったりする場所なら、近くの植え込みなど安全な場所に移す。けがなどで出血がある場合や希少種のヒナであることが分かったら、各都道府県の鳥獣保護担当部署に相談して指示を仰ごう。

 野鳥の会にはこの時期、「拾ったヒナをどうしたらいいか」という問い合わせの電話が絶えないという。啓発活動を進めようと、絵本や紙芝居のほか、「ヒナとの関わり方がわかるハンドブック」を作製した。虫を食べて育つヒナも他の動物に食べられることがある。誕生したヒナのうち生後1年間生きられるのは約半数ともいわれる。ハンドブックでは、落ちているヒナについて「手を差し伸べるとしても自然に返すお手伝い」と記載。自然の摂理を考え、見守る大切さを訴えている。

   ◇

 野鳥の会はハンドブックを希望者に無料で配布している。ファクス03・5436・2635またはメールnature@wbsj.orgで、氏名、住所、電話番号を記し、日本野鳥の会「ヒナハンドブック」係へ。【谷本仁美】
https://mainichi.jp/articles/20190627/ddm/013/040/002000c

http://archive.fo/8CWWZ

タグ:誤認救護
posted by BNJ at 10:41 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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