2019年07月19日

ちばの現場から・2019参院選/6 第二湾岸道路計画 三番瀬環境守れるか 交通量見通しにも地元疑念 /千葉【毎日新聞2019年7月19日】(既報関連ソースあり)

第二湾岸道路の建設予定地だった浦安市入船の県有地。突き当たりは海で、埋め立てられる予定だった三番瀬が広がる
 2月上旬、「三番瀬を守る連絡会」や「県野鳥の会」など環境保護7団体の計28人が東京・永田町の衆院議員会館を訪れた。国土交通省と交渉し、東京と千葉の湾岸部をつなぐ「第二東京湾岸道路(第二湾岸)」建設計画の中止を求めるためだ。

 「三番瀬を通る道路計画はやめてほしい」。団体側は道路局の担当者に、水鳥の写真などを見せながら、東京湾の貴重な自然環境が残されている三番瀬の保全を求めた。担当者は「三番瀬を潰して建設しようと考えているわけではない」と釈明したが、「道路建設は検討しなければいけない」と要望を退けた。

 国交省は3月に「千葉県湾岸地区道路検討会」を設置。国と県、千葉市、東日本高速道路(NEXCO東日本)による第二湾岸のルート案など具体化に向けた話し合いが始まった。その2カ月前、森田健作知事が石井啓一国交相に「湾岸地域の渋滞解消に向けた新たな道路ネットワーク整備」を要望し、国交相がその場で検討会設置を明言。2001年から18年間、棚上げ状態だった第二湾岸の建設計画が再び動き出した。

 県は01年に第二湾岸建設予定地の三番瀬埋め立て計画が撤回された後も、建設自体については推進の立場を崩していない。建設計画を再度進める契機となったのが、昨年6月の東京外郭環状道路(外環道)の県内区間の開通だ。湾岸部と北関東エリアを直接つなぐ南北の動脈が整備され、開通後の東京湾岸道路の交通量は増加傾向にある。県道路計画課の担当者は「湾岸部の渋滞解消という機運を高めたい」と話す。森田知事も6月議会の答弁で「湾岸部の渋滞を解消し、本県のポテンシャルを十分に発揮する上で重要」と第二湾岸の必要性を強調した。

 だが、地元からは建設に慎重な声が上がる。船橋市の松戸徹市長は国交相の検討会設置発言について「寝耳に水だった」と明かし、「湾岸漁業や自然環境は街にとって高い価値があり、アイデンティティーになっている」と国や県をけん制。三番瀬に面する船橋、市川、浦安3市は「十分な説明を聞いていない」として国や県に説明と意見交換の場を求めている。

 三番瀬の保全については、06年に県が策定した「三番瀬再生計画」があり、国交省は「再生計画との整合性をとる」とする。だが、国交省千葉国道事務所の坂井康一所長は取材に「(整合性を)どう判断するかは難しい」と言葉を濁した。

 将来の交通見通しについても説明不足が指摘される。国交省は物流施設の新規立地や千葉港の機能強化による物流の活発化で今後も渋滞は継続するとしている。これに対し、浦安市の内田悦嗣市長は、湾岸道路で実施中の立体化や交差点改良などの渋滞対策工事に触れ、「まだ湾岸道路も最終形に至っていない。そこも合わせて丁寧に説明してもらわないと」と注文を付ける。

 地元で疑念が広がる中、検討が再スタートした第二湾岸。三番瀬を守る連絡会の中山敏則代表世話人(70)は「国や自治体の財政は危機的状況にあり、道路交通量は減少傾向にある。将来は人口も減り続ける。それなのに大規模道路計画を推し進める必要はあるのだろうか」と訴える。【小林多美子、町野幸】

 ■ことば

第二東京湾岸道路
 東京都大田区から市原市まで約50キロをつなぐ幹線道路として、東京湾岸道路(神奈川県横須賀市−富津市)より海側に構想された。1994年、国交省の地域高規格道路の候補路線に指定された。市川、船橋両市の三番瀬の埋め立て予定地(計101ヘクタール)を通る想定だったが、埋め立て計画の白紙撤回を公約に掲げた堂本暁子前知事が2001年に初当選し、同年に撤回された。このため、第二湾岸の建設計画も中断した。
https://mainichi.jp/articles/20190719/ddl/k12/010/096000c

http://archive.fo/fFQ8e

20年前より交通量減でも「第二東京湾岸」計画再始動の裏側【日刊ゲンダイ2019年2月7日】
東京大改造 第二東京湾岸道が18年ぶり再始動、ルートに火種も【日経xTECH2019年1月30日】
第二東京湾岸道路、18年ぶり計画再始動 地元では驚き【朝日新聞デジタル2019年1月18日】

posted by BNJ at 21:12 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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