2019年08月09日

クマタカ 営巣放棄 大川原高原付近「2つがい」、「風車が原因」姿消す 野鳥の会県支部、発電所稼働直後 /徳島【毎日新聞2019年8月9日】

大川原ウインドファーム近くで営巣していたクマタカのペアがひなを育てる様子。頭部の白い右の個体がひな。現在は営巣が見られなくなった=1979年7月1日撮影、日本野鳥の会徳島県支部提供
 大川原高原(佐那河内村)近くで少なくとも30年以上、毎年営巣していた絶滅危惧種のクマタカが2011年以降、姿を消したことが8日、日本野鳥の会県支部(三宅武支部長)への取材で分かった。営巣放棄したとみられる。近くには、「大川原ウインドファーム」(佐那河内村)が運営する風力発電所の風車15基があるが、営巣地との距離は約1キロで、09年稼働の時期と合わせ近接しており、県支部は「風車が原因」と指摘している。【松山文音】

 県支部によると、クマタカは環境省のレッドデータブックの絶滅危惧1Bに指定されており、県内での生息数は60羽にも満たないという。営巣地への執着心は強いが、他の鳥類に比べて人や人工物に敏感なため、一度営巣地を離れてしまうと戻ってくる可能性は低いとされる。

 県支部は1979年から大川原高原付近で観察を始め、2010年までは少なくとも2つがいの営巣を確認していた。ところが、15基の風車が完成し、発電を開始した直後の11年にはゼロとなった。

 要因として、三宅武支部長(76)は「風車そのものに加えて、(風車回転に伴う)機械音などを嫌っている可能性もある」と分析する。また、「営巣地が一度失われてしまうと、クマタカは繁殖活動をせずに暮らすだけで生涯を終え、絶滅の可能性が大変高まる」と指摘する。

 これに対し、「大川原ウインドファーム」へ四電系企業とともに出資しているユーラスエナジーホールディングス(東京都)の広報IR室の担当者は、毎日新聞の取材に「天候や気温変化によって営巣は左右される。風車の稼働によって営巣地を放棄したと断定できないと考えている」と述べている。

 県内では、金融サービス業のオリックスグループ(東京)が剣山系で風車42基からなる「天神丸風力発電事業(仮称)」を計画している。県支部によると、建設想定区域周辺では、少なくとも6つがいのクマタカが営巣しており、建設されると営巣地の放棄につながる恐れがあるという。

 三宅支部長は「クマタカの営巣地は一度失われると取り返しがつかない。建設が予定されている剣山系は生物多様性が大変高い貴重な場所。今回の結果を受けて、建設について、もう一度熟慮してほしい」と話している。
https://mainichi.jp/articles/20190809/ddl/k36/040/440000c

http://archive.fo/P5EeL

posted by BNJ at 23:02 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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