2019年08月16日

大阪・夢洲 コアジサシ、餌くわえた親鳥 希少種繁殖可能性高まる 専門家「万博工事配慮を」【毎日新聞2019年8月16日】

生まれて間もないひな(中央)に餌を与えるコアジサシ=東京都大田区で2014年、八頭智剛撮影
 2025年大阪・関西万博の会場となる大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)で、海鳥の希少種「コアジサシ」が繁殖している可能性が高いことが専門家の調査で分かった。植物も複数の希少種を自然保護団体が確認した。調査した専門家は、工事での配慮や万博終了後の環境回復を求めている。【宮川佐知子、渡辺諒】

 公益社団法人「大阪自然環境保全協会」(同市北区)が今年5月、環境省レッドリストで絶滅危惧種とされるコアジサシの飛来を確認し、鳥類調査が専門の大阪市立自然史博物館主任学芸員、和田岳(たけし)さんに詳細な調査を依頼した。



2025年大阪・関西万博の会場となる夢洲。手前が予定地=大阪市此花区で2019年3月5日、本社ヘリから幾島健太郎撮影
 6月中旬に調査した和田学芸員によると、岩や土がむき出しになった繁殖適地の裸地(らち)でコアジサシを少なくとも3羽確認した。巣やひなは見つからなかったが、餌をくわえた親鳥がいた。夢洲内の巣に運んでいるとみられ、和田学芸員は「巣が100個あるような状況ではないが、繁殖が行われている可能性が高い」と説明する。

 現在、瀬戸内地方を含め、コアジサシのつがいが好む砂浜や裸地が急速に減っているという。和田学芸員は「夢洲には繁殖適地があり、保全の立場からすると、万博後にいかに繁殖地を残していくかを考えてほしい。工事中や万博開催中も、一部で裸地を残すなどの配慮が望ましい」と指摘する。


夢洲にある池で植物の調査をする公益社団法人「大阪自然環境保全協会」の会員ら=同法人提供
 植物については、同協会が7月、水辺を中心に複数回調査。環境省レッドリストの絶滅危惧種の「ツツイトモ」や、準絶滅危惧種の「リュウノヒゲモ」などの水草が見つかった。同協会の加賀まゆみ理事は「貴重な生態系があり生物多様性の宝庫になっている。万博を機に、生態系を守る機運を高める必要がある」と話す。

 同協会は動植物の調査結果などをホームページで公開し、今月20日まで市民からの意見を募集する。9月中旬にも、万博の運営組織「日本国際博覧会協会」や経済産業省などに、詳細な動植物調査や動植物に配慮した開発を求める提言を出す予定だ。

 博覧会協会の担当者は「希少種については把握していない。今後、環境影響評価(アセスメント)の中で調べたい」と話している。

 ■ことば

コアジサシ
 全長25センチ前後のカモメ科の渡り鳥で、頭部の黒い模様や黄色いくちばしが特徴。日本では4〜9月ごろ観察される。環境省のレッドリストの絶滅危惧2類、大阪府のレッドリストの絶滅危惧1類に分類される。近年の巣立ち率は1割未満と低く、環境省は2014年にコアジサシ繁殖地の保全・配慮指針をまとめている。
https://mainichi.jp/articles/20190816/ddf/007/040/009000c

http://archive.fo/fY10N

posted by BNJ at 23:43 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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