2019年09月10日

毎日フォーラム・食×農×福 世界自然遺産・白神山地の恵み【毎日新聞2019年9月10日】

佐藤靖子会長(中央)と職員=深浦町の白神海彦山彦館で
 白神山地は青森県南西部から秋田県北西部にかけて広がる山岳地帯の総称で、世界最大規模とされるブナの原生林が広がっている。その一部が1993年に世界自然遺産に登録されている。

 「白神地産地消の会」=佐藤靖子会長(66)=は2005年に設立された。青森県深浦町と合併する前の岩崎村のころから地域活性化を目指してきた会だ。具体的には、地元産の海の幸や山の幸を伝統食として提供している「白神海彦山彦館」が、白神地産地消の会で厨房を取り仕切っている。コンセプトは、地元の母の味で、昔ながらの自宅の食卓の味だという。

 環境汚染や過剰な除草剤や農薬によって、本物の食材が手に入らなくなっている。その中で、世界自然遺産の白神山地は、手つかずの自然に恵まれ、山の豪雪の雪解け水がもたらす山野菜や海産物は、素朴な自然の味だ。これは伝統的な本物の食い物だといえる。まさに、汚染されていない自然の食材が白神の恵みによって手に入るからだろう。

 十二湖の森は、世界自然遺産・白神山地の日本海側の麓にあり、江戸時代(1704年)の大地震によって形成された。海岸から4キロ足らずのブナの大木がある原始に近い森だ。海抜200メートル前後、面積780ヘクタールの広大な台地にコバルトブルーの神秘な「青池」や「沸壺の池」など33の湖沼が連なり、ブナを主体とする生態系が豊かな森の中に、四つの変化に富んだセラピーコースがある。

 ここでは、白神十二湖森林セラピー基地として13年に活動が始まった。エリア全体が癒やしゾーンとなっている。ここでガイド兼セラピーを担当する堀内光紀氏は、旧岩崎村の元郵便局長だ。多くのガイド兼セラピーの方は、十二湖で繁殖している幻の赤い鳥(アカショウビン)をこよなく愛して保護活動にあたっている。

 森には、私たちを癒やし、健康に導く力があることが実証されている。 森林セラピーは、科学的な証拠に裏付けされた森林浴のことだ。森を楽しみながらこころと身体の健康維持・増進、病気の予防を行うことを目指している活動だ。例えば、心や身体に課題のある方でも、ガイド兼セラピーの方と十二湖の森を歩き、アカショウビンの鳴き声に癒やされ、白神地産地消の会の食を堪能することを期待して毎年来る人もいるという。

 しかし、心無いカメラマンがアカショウビン撮影のために三脚を立てて居座り、散策の邪魔になっている。さらに営巣木の前にカメラを置き、繁殖の妨害をしていることもある。全国から車中泊をして撮影するカメラマンが増える一方で、役所も苦慮している、もちろん、アカショウビンの数は激減している。

 白神山地には、「食×農×福祉」の連携による「本物の食い物×農林水産×観光」という可能性がある。しかも、最近問題となっている引きこもる若者・中年者が訪れることで、生き抜く力や地域の役割に参加することを学べる癒やしの森だといえそうだ。(NPO法人地域福祉研究室pipi理事長 渡邉洋一)
https://mainichi.jp/articles/20190906/org/00m/010/017000d

http://archive.fo/ADhX4

posted by BNJ at 10:21 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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