2020年03月21日

鳥取)コウノトリの継続的な繁殖目指し、人工巣塔を設置:朝日新聞デジタル

人工巣塔の先端に取り付けられる直径約1・6メートルの巣台=2020年3月14日午前11時26分、鳥取市

 昨年、鳥取県内で初めて繁殖が確認された国の特別天然記念物のコウノトリの継続的な営巣・繁殖を促そうと鳥取市内に今月中旬、人工巣塔(じんこうすとう)が設置された。コウノトリのペアが巣作りをしやすい環境を提供するために建てる塔で、コウノトリと共生できる豊かな地域にしたいと市内の男性が整備した。人工巣塔の設置は県内では初めて。

 市教委文化財課によると鳥取市では昨年4月、鉄塔の上にコウノトリのペアが営巣。5月に4匹のヒナが産まれ、7月には巣立ちが確認された。ただ、電柱や送電鉄塔での巣作りは電気事故などの原因にもなることから、原則として巣材撤去といった措置が取られる。今回繁殖した鉄塔も安全面への配慮から、ワイヤーを張るなどして今年はコウノトリが営巣できないようにしている。

 こうしたことから、コウノトリの野生復帰に取り組む兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)が自治体向けに作成するコウノトリ飛来時の対応パンフレット(文化庁・環境省監修)では、滞在個体が増加し、長く連れ添う雌雄が現れた場合には巣塔を建てることが望ましいとしている。繁殖が盛んな豊岡市各地をはじめ、現在は島根県などでも設置が進んでいる。

 ただ人工巣塔の整備については、行政が主体となっている場合もあれば、民間団体や個人が建てている場合など、出資元は様々。鳥取市は昨年に営巣を確認してから、県や関係機関とその後の対応を協議をしてきたが、コウノトリはあくまで野生復帰を目指すものとして、人工巣塔の整備については審議には及ばなかったという。

 市内でコウノトリの観察を続けていた椿壽幸さん(64)は年明けごろから今年もコウノトリが飛来し、昨年営巣・繁殖した鉄塔に巣材を運び込もうとする行動を何度も確認していた。「このままでは今年、コウノトリが営巣できないのでないか」と、約40万円ほどかけて人工巣塔を整備することを決めたという。

 設置された人工巣塔は、高さ約13メートルのコンクリート製柱の先端に、直径約1・6メートルのおわん型の巣台がつく。巣台部分は金網になっていて、コウノトリが巣材を差し込みやすくなっている。人工巣塔の設置場所や形状などは同公園の専門家らと相談し決めたという。

 椿さんは「あとはコウノトリがここを選んでくれるか。それはコウノトリにしかわからないけど、うまくここで今年も営巣・繁殖して、子孫が飛び立っていってくれることを祈るばかり」と期待を込める。

 コウノトリと共生できる地域を作ることは、単にコウノトリだけのためでなく、豊かで適切な自然環境の保全につながる。同公園の担当者は「コウノトリにとって優しい環境というのは、回りまわって人間にとっても優しい環境になる。地域のみなさんにも見守ってほしい」と話す。

    ◇

 コウノトリとの共生を目指す地域の方の思いを考慮し、人工巣塔の設置場所などについて詳しく明記していません。(矢田文)
https://www.asahi.com/articles/ASN3N6WR8N3MPUUB006.html
http://archive.md/GUiT7

タグ:コウノトリ
posted by BNJ at 11:35 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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