2017年09月18日

活力をもたらす霊鳥【山陰中央新報2017年9月18日】

 出雲は古代から白鳥と縁が深い。日本書紀は、大人になっても言葉が話せない天皇の御子(みこ)が、出雲で捕らえた白鳥を得ることで話せるようになったと記す▼逸話に通じるような伝承が、出雲市斐川町求院(ぐい)の求院八幡宮に伝わっており興味深い。地名は白鳥を示す古名の「白鵠(くぐい)」が変じ、捕らえた場所は周辺にあった池のほとりで、八幡宮内にある鵠(くぐい)神社は御子を祭神に祭る。白鳥は人の霊魂を運ぶ霊鳥とされた▼視野を広げると、宍道湖・中海を中心とする斐伊川水系には今も多くの水鳥がやって来る。冬の使者・白鳥は毎年1千羽以上が飛来し、ガンやカモは4万羽を超す。西日本有数の楽園だ▼特に、白鳥やツル類など五つの大型水鳥が生息できる環境は国内でも唯一。国土交通省出雲河川事務所は優れた特徴を生かし全国7地区の一つとして、地域の魅力と活力づくりを狙い生態系ネットワーク形成事業に取り組む▼中でも最近、多くが飛来し生息する雲南市のコウノトリに注目し、生息行動調査に乗り出した。ねぐらはどこか。雲南に来る数が増えた理由は何か。それが分かれば同省が兵庫県豊岡市の円山川で実践したように、川の周辺に湿地を造り、生息環境の拡大と洪水対策を行うこともできる▼豊岡市では、無農薬の「コウノトリ育む農法」を拡大し、米のブランド化や水田で多くの生き物が増える環境づくりを進めている。雲南市も国や島根県と連携し、産業や観光、教育などに幅広く活用し、地域を元気づける霊鳥として生かしたい。(道)
http://www.sanin-chuo.co.jp/www/contents/1505700008122/

http://archive.is/5KhWw

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2017年09月17日

<社説>やんばる国立公園1年 奇跡の生態系守り抜こう【琉球新報2017年9月17日】

 本島北部の国頭、大宜味、東の3村の陸域1万3622ヘクタール、海域3670ヘクタールが「やんばる国立公園」に指定されてから、15日で1年を迎えた。

 国内で33番目、県内では1972年の西表石垣、2014年の慶良間諸島に次いで3番目の指定だ。指定日の9月15日は1983年に国頭村で固有種ヤンバルテナガコガネが発見された日だ。多様な生命を育むやんばるの森の大切さを再認識する日としたい。
 やんばるには国内最大級の亜熱帯照葉樹林が広がる。そしてヤンバルクイナやノグチゲラなど多種多様な固有動植物と希少動植物が生息、生育している。
 3村は日本の国土面積のわずか0・1%にすぎない。そこに日本全体で確認されている鳥類の約半分、在来のカエルの約4分の1の種類が生息している。驚くべきほどの多様な生物が生息している。
 生き物にとって楽園ともいえる環境を支えているのが森林だ。やんばる地域が位置する北緯27度付近の世界の亜熱帯地域を見渡せば、その多くが砂漠や乾燥地帯だ。しかしやんばる地域の森林率は80%以上だ。
 この奇跡ともいえる生態系で暮らす在来生物が現在、生存の危機にさらされている。外来生物の侵入が原因だ。飼われていたイヌやネコがやんばるに捨てられ、野生化して繁殖している。これらノイヌ、ノネコが絶滅危惧種のオキナワトゲネズミ、ヤンバルクイナなどを捕食している。
 やんばるの生態系を脅かしているのは人間の身勝手な行動だ。裏を返せば、人間が改めれば回復できることを意味する。県民全体に突きつけられている問題だろう。
 国立公園の指定後、貴重な自然に触れようと、多くの人々がやんばるを訪れるようになっている。関心が高まっていることを歓迎したい。その一方で、自然破壊につながる利用が散見されている。
 車両進入禁止の国頭村の与那覇岳の登山道をオートバイで走り抜けたり、自然海岸にキャンピングカーを乗り入れたりする人が出ている。たき火をして放置したり、ごみを置き去りにしたり、手つかずの自然を台無しにする行為も横行している。自然保護と利活用の両立も課題だ。
 米軍施設と隣接する国立公園も国内では初めてだ。米軍北部訓練場では指定の前後、新たなヘリパッド(ヘリ着陸帯)が相次いで建設され、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイがやんばるの森を飛行し、騒音をまき散らしている。
 国立公園は日本を代表する自然の風景地を保護し利用促進を図るのが目的だ。米軍施設の存在は明らかに国立公園の趣旨に反する。米軍北部訓練場は過半ではなく、全てを返還するべきだった。
 やんばるを取り巻く状況は極めて厳しい。一つ一つの課題を克服し、持続可能な利用と保護を両立させ、生態系を守り抜く努力を重ねたい。
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-576875.html

http://archive.is/xb1bO
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2017年09月14日

しらかば帳 北アのライチョウ /長野【毎日新聞2017年9月14日】

 8月下旬、北アルプス・燕岳(2763メートル)から大天井岳(2922メートル)までを友人たちと1泊2日で登った。「もうだめだ……」と何度も思ったが、その分、山々を見下ろす開放感や雲海から顔を出したご来光への感動はひとしおだった。

 尾根を歩いている途中、特別天然記念物で絶滅危惧種「ニホンライチョウ」に合うのを期待し、鳴き声を聞こうと耳を澄ましたり、巣の作られるハイマツを注意深く見たりした。鳥を見かける度に一喜一憂したが見つからなかった。

 山小屋の人の話では、過去には登山者がカップラーメンの汁を捨てたことで天敵のキツネが居着いてしまい、長い間ライチョウが1羽も姿を見せなかった時期もあったという。

 その登山者も立ち去った後にそんな状況になっているとは、思ってもみないだろう。山はライチョウの大事な自宅だ。開放的な気分になっても、自分がお邪魔していることを忘れてはいけない。【長野・安元久美子】
https://mainichi.jp/articles/20170914/ddl/k20/070/162000c

http://archive.is/KcEkE
タグ:ライチョウ
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2017年09月13日

(天声人語)ライチョウを訪ねて【朝日新聞デジタル2017年9月13日】

 「ワズカモ山ヲ離ルレバ、スナハチ、オツ」。わずかでも山を離れるとライチョウはすぐに死ぬ。そんな調査報告が加賀藩の文献に残る(富山県教委『立山の雷鳥』)。ライチョウの飼育のむずかしさは江戸時代から知られていたようである▼その難題にいま環境省と全国5施設が挑む。生育環境が悪化して2千羽以下に減ったと推…

残り:471文字/全文:621文字
http://www.asahi.com/articles/DA3S13129916.html

http://archive.is/1vUoW
タグ:ライチョウ
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渡り鳥も寄る尖閣諸島【宮崎日日新聞2017年9月13日】

 大淀川の川面を飛び回っていたツバメがいない。夏鳥は南の国へ旅立ったのだろう。大海原を渡る鳥たちの無事を願う一方で、国境を軽々越える彼らをうらやましくも思う。

 日本政府が尖閣諸島(沖縄県)を国有化して5年たった。日本の実効支配を崩そうと、中国は公船による領海侵犯を恒常化させている。おそらく尖閣諸島も渡り鳥にとっては中継点だろう。彼らの大事な休息地が両国関係を悪化させている一大要因になっている。

 「中国では昔から、海まで支配が及ぶという考えが強い」。そういう統治思想の一端として、中国通である宮崎市の書道家森和風さんが「連島境界刻石二種」という珍しい書物を貸してくれた。岩石に刻まれた文字を原寸大で載せている。

 約2千年前に土地の境界を定めた内容。20世紀末に中国江蘇省の海岸近くで発見された。古式の隷書を学ぶための貴重な資料だが、注目すべきは領海の考え方。解説によると境界線は東の海へ向かって無限に延び、それぞれを領海として定めるという発想らしい。

 この区分からすると、日本列島までのみ込まれそうだ。東シナ海に限らず、南シナ海でも軍事拠点化を次々進め、領有権を主張する中国を見ると、古代の統治観は中華思想に名を変えて今でも幅を利かせているのでは、と疑ってしまう。

 刻石は、ちょうど前漢・後漢にはさまれて15年ほど新が建国された時代。皇帝の王莽(おうもう)は泣き方の上手な者を重用したと言われる。尖閣の問題は当面棚上げしてでも、ここは「鳴き」の上手な渡り鳥が両国間をとりもってくれないだろうか。
http://www.the-miyanichi.co.jp/kuroshio/_27996.html

http://archive.is/IJ0cs
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