2017年04月19日

卓上四季 大造じいさん【どうしんウェブ2017年4月19日】

椋鳩十の童話「大造じいさんとガン」を、小学校で習った方もいるだろう▼猟師の大造は狩りに出るが、上空にいるガンの頭領の機転で獲物が取れない。おびき出すためにおとりのガンを放ったが、ハヤブサに襲われる。頭領は人間のわなと知りながらも、おとりを救うために戦う。必死なその姿を見た大造はつぶやく。「おまえみたいなえらぶつを、ひきょうなやり方でやっつけたかあないぞ」▼小説や俳句をみても人間はガンに、どこか畏敬の念を持っているような気がする。ガンの漢字である雁は、一つの家(厂)に人(イ)と鳥(隹)が一緒にいる様子を表す。「葦(あし)をふくむ雁」という言葉もある。ガンは渡りの際、翼を休めるために海に浮かべる葦を口にくわえ飛び立つことから、用意周到の意味で使われるそうだ▼今、シベリアに向かうマガンが美唄・宮島沼で羽を休めている。夜明けとともに餌を求め、一斉に飛び立つ姿を「ねぐら立ち」と呼ぶ。雲が湧き立つような光景には圧倒される▼最近、飛来数が増え、自然のショーもにぎやかになったが、単純に喜べない。繁殖地のシベリアの温暖化が関係しているらしい。今は環境が良くても気温が上がり続ければ、生きにくくなるだろう▼人間界には温暖化対策に後ろ向きな超大国もいたりして、ガンはやきもきしているかも。大造ではないが、「ひきょうなやり方」と思われたくない。2017・4・19
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/season/2-0112595.html

http://archive.is/ww3p0

posted by BNJ at 21:28 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月16日

河北春秋【河北新報オンラインニュース2017年4月16日】(大崎市/市の鳥/マガン)

 旧古川市など1市6町の合併で誕生した大崎市は昨年、新市発足10周年を記念して市の木、花、鳥を制定した。花はヒマワリ、鳥はマガンを選んだ。木は桜。桜が市の木となった背景には物語がある▼1999年のある夜、古川市(当時)の酒場で数人の中年男性が話し込んでいた。「古川にはこれといった観光地がないよね」「ならば…」。市民が憩う化女沼の岸辺を日本一の桜の園に、と風呂敷を広げた▼宮城県と市から許可を取り付け、2000年4月2日、強風を突いて植樹式を挙行した。約500人の市民が呼び掛けに応じて集まり、1600本の苗を手植えした。「行政でも企業でもなく、市民が自らなし遂げた事業です」と、「化女沼2000本桜の会」の佐々木哲朗会長(65)は胸を張る▼東日本大震災で大崎市も大打撃を受け、「桜の会」の仲間だった男性1人を含む4人が犠牲となった。12年春、佐々木さんらは「鎮魂の桜」と名付けた60本を化女沼畔に植えた。以後も心の復興を祈って植樹を続け、総数2750本を数えるまでになった▼「桜の会」は昨年、環境美化などの功績で環境大臣表彰と国土交通大臣表彰を受けた。最初の1600本は青年の木となり、今年は20日ごろ花の盛りを迎える。大崎市民の思いを感じに訪ねてみたい。(2017.4.16)
http://www.kahoku.co.jp/column/kahokusyunju/20170416_01.html

http://archive.is/x7fXG
posted by BNJ at 11:37 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月13日

ギロチンから20年【佐賀新聞LiVE2017年4月13日】

 <海は干潟に侵入し、そのゆるやかな起伏をいっそうなめらかにした(中略)柔らかい泥のひろがりは空の明りを反映して海獣の肌のようにつややかな光沢をおびた>。長崎県諫早市に住んで作家活動をした野呂邦暢(のろくにのぶ)の小説『鳥たちの河口』(1973年)の一節である◆失業した男が秋から冬にかけ、河口で鳥の観察をして過ごす100日間を描いている。河口が諫早湾に注ぐ本明川であることは明白だ。野呂は生前、諫早湾の埋め立てに反対を表明していた。やがて失われるだろう干潟や河口に遊ぶ生きものへのあふれるような愛情が伝わる。挽歌を捧(ささ)げるつもりで書いたのだろう◆国が諫早湾を干拓のために閉め切って明日で20年。重さ3トンの鋼板293枚がドミノ式に落ちる「ギロチン」と呼ばれた映像は、海の命が絶ち切られていくようにも映った。その後は異変が続く。要因は複合的なものだろうが、干拓の影響は無視できない◆開門を主張する漁業者と、干拓地の営農者との対立で着地点が見えないのは不幸なことである。海水を浄化し、生物の「ゆりかご」といわれた諫早湾はかけがえがないもので、開門調査をやらない選択肢はない◆野呂は湾の干潟を<初原的な泥の輝きは朝な夕な眺めて飽きない>と随筆に書いた。太古から受け継いだ宝の海に戻し、ずっと後世へと思う。(章)
http://www.saga-s.co.jp/column/ariakesyou/421319

http://archive.is/laQsT
posted by BNJ at 11:21 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「バードストライクのため、到着が遅れます」…【西日本新聞2017年4月13日】

 「バードストライクのため、到着が遅れます」。先日乗った飛行機の機内放送にひやりとした。バードストライクは鳥が航空機などにぶつかるトラブルのこと

▼旅客機の離着陸時、エンジンの空気吸入口に鳥が吸い込まれることもある。故障の原因となる恐れがあり、エンジン停止などで大事故につながる可能性も。国土交通省によれば、2015年は国内で1769件の「鳥衝突」が発生した

▼野球やボウリングでおなじみのストライクには「攻撃」という意味もある。前述の「鳥の攻撃」は大したことにはならず、15分ほど遅れて無事着陸したが、こちらのストライクは決して起こしてはならない

▼北朝鮮の核・ミサイル開発を巡り、米政府は日米高官協議で「ストライク」という言葉を使ったという。中国が北朝鮮を抑えられなければ、軍事攻撃に踏み切る可能性を示したものだ

▼米国は原子力空母を朝鮮半島付近に向かわせて圧力を強めている。北朝鮮が反発して核実験やミサイル発射を強行すれば、最悪の事態も予想される。韓国紙は「朝鮮戦争以来の緊張状態」と報じ、ネットには米国が先制攻撃するとのうわさが飛び交う。朝鮮半島有事なら、米軍基地のある日本も巻き込まれる

▼バードストライク防止にタカを放って鳥を追い払う空港があるそうだ。北朝鮮を経済的に支えている中国は、米国が爪を出さずに済むよう、能あるタカの役割を今こそ。
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/syunzyu/article/321402

http://archive.is/Gu21Q
posted by BNJ at 11:20 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月09日

【新・仕事の周辺】藤田宜永(作家)30年目のご褒美【産経ニュース2017年4月9日】

藤田宜永さん
 雪かきをしてから、この原稿を書き始めた。お花見の便りが東京あたりから届いているが、軽井沢に春が来るのはもう少し先らしい。

 講談社から出版した『大雪物語』という短編集で、第51回吉川英治文学賞をいただいた。2014年の2月中旬、軽井沢が大雪に見舞われ、我(わ)が家も孤立した。家の前には1メートル以上の雪が積もっていたし、街全体がマヒ状態だったので、どうしようもなかった。災害に遭ったわけだが、我が家では食料と灯油がなくなること以外に不安はなかった。それでも、何となく落ち着かず、いつものペースで仕事をすることはできなかった。ものすごい量の野鳥が餌台にやってきた。ヒマワリの種を出してやっていたのだが、ストックはすぐになくなってしまった。ホオジロが力尽き、僕の目の前で死んでいった。僕とカミさんは、亡骸(なきがら)を箱に入れ、雪の中に埋めてやった。

 そんな状態の中で、ふと思いついたのが、『大雪物語』。大雪によって孤立や立ち往生を余儀なくされた人間のドラマを書いてみよう。“異変”は日常を停止させ、非日常を呼び寄せる。それは必ずしも幸福をもたらすとは限らないが、できたら、人生の機微に触れたしみじみとしたものにしたいと思った。その作品が評価された。嬉(うれ)しい限りである。

 しかし、何であれ、あの大雪を体験していなかったら、生まれなかったことは間違いない。

 吉川英治文学賞は、長年、小説を書き続けた人を対象にしている賞だと言っていいだろう。そのせいかもしれないが、受賞の知らせを受けた夜、僕は過去を振り返った。これまでもいくつか賞をいただいたが、そのような気持ちになったことはなかった。

 『大雪物語』は去年の11月に発売された。僕は1986年の10月に小説デビューしているので、30年目に刊行した作品で受賞したことになる。節目にご褒美をいただいたような思いがしている。

 軽井沢に移り住んで今年で27年目。40歳の時に思いきって引っ越したのだが、あの時の決断がなければ、大雪も経験しておらず、したがって、この作品が世に出ることもなかったに違いない。

 過去を振り返らせてくれた賞だが、作家活動をこれで終えたわけではない。これからも走れるだけ走ろうと思っている。

 3月末に、文芸春秋社より刊行した『奈緒と私の楽園』という長編が受賞第1作となった。かなり変わった内容の小説だが、それはともかくとして、装幀(そうてい)がやたらと豪華なのだ。タイトルは金の箔(はく)押し、装画はマチスである。今は、こういう金のかかる本は作らないのが普通だそうだ。僕の受賞を知って作った本ではない。偶然、豪華なものになっただけだが、受賞第1作にまでお祝いされていると勝手に受け止めた。実に気分がいい。
http://www.sankei.com/life/news/170409/lif1704090016-n1.html
http://www.sankei.com/life/news/170409/lif1704090016-n2.html
http://www.sankei.com/life/news/170409/lif1704090016-n3.html

http://archive.is/aPuDz
http://archive.is/Y3urA
http://archive.is/bR9Eg
posted by BNJ at 23:18 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする