2018年06月25日

【きのうきょう】空き地【産経ニュース2018年6月25日】

 東京都東久留米市 上原晴美 65 主婦

 家の南側の空き地に、戸建て住宅が10棟建つことになった。そこは30年前に引っ越してきたときは、立派な栗林だった所で、秋になるとカサッと実が落ちる音がしたものだ。野鳥も多く、オナガの鳴き声に驚いたこともあった。

 その栗林は15年ほど前に突然なくなってしまった。一本一本ロープで倒される姿を見て、胸が締めつけられた。それでも空き地のまま残り、日当たりの良くなったわが家の庭では木々が大きく育った。そしてヒヨドリ、シジュウカラなどが訪れるようになり、「もうすぐ春だよ」と教えてくれる。

 今、その空き地が住宅地に変わっていく。

 来年、庭の木や花は変わりなく成長してくれるだろうか。鳥たちは春を告げに来てくれるだろうか。いろいろ不安もあるが、どうにもならないことを思い惑うのはやめよう。街が変わるのは楽しみでもあるのだから。

 「きのうきょう」の原稿を募集しています。生活の中で感じたことを400字程度にまとめ、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記して、お送りください。原稿は応募者の自作で、本欄のみへの投稿作品に限ります。宛先は〒100−8078か〒556−8660(いずれも住所不要) 産経新聞文化部生活面「きのうきょう」係。FAXは03・3270・2424です。採用分には2000円分の図書カードを差し上げます。
https://www.sankei.com/life/news/180625/lif1806250012-n1.html

http://archive.is/ciDxc

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2018年06月18日

あぶくま抄 巣立ちの季節(6月18日)【福島民報2018年6月18日】

 どこか動きがぎこちない。電線で羽を休めていてもフラフラとぐらつき、危なっかしい。飛び立つ時も羽を数回ばたつかせた後、意を決したように宙に出る。どうやら巣立ったばかりらしい。生まれたばかりのツバメが一本立ちする季節が、県内に巡ってきた。
 福島市の繁華街から北に延びる飯坂街道は、さながら「ツバメ街道」と化す。文字通りのツバメ返しを決め、見事に羽虫を捕らえたかと思えば、深追いして行き交う車とあやうく衝突しそうになる慌てん坊もいる。そばにたたずむ親鳥もさぞ不安だろう。
 近年は街の中で成長するひなの数が減っている。日本野鳥の会によると、2013(平成25)年から3年間の全国調査で都会とその周辺で1つの巣から育つひなの数を比べると、都会の方がわずかに少なかった。人間の生活習慣や住環境の変化が影響を与えている。
 農家には害虫を食べる益鳥として重宝され、巣を掛ける家には幸福をもたらす使者として古くから愛されてきた。少々のフン害も温かな視線で見守ってあげたい。人とて同じ。この春、新たな世界に飛び出した若者の少しぐらいの失敗は大目に見たい。いずれ、羽ばたきは大きくなる。
http://www.minpo.jp/news/detail/2018061852509

http://archive.is/dg1kt
タグ:ツバメ
posted by BNJ at 11:14 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月17日

女の気持ち ツバメの親子 埼玉県川越市・笠川米子(無職・73歳)【毎日新聞2018年6月17日】

 今年もツバメが家の軒先に巣を作った。いつもより少し、遅かった。

 最初は1羽で来ていた。その後、お嫁をもらったらしい。卵のかけらが落ちてくると、子どもが生まれたしるし。見上げると、巣の中で黒い頭がクルクル動いている。

 私は大病を患い、介護施設に通っている。施設の車が迎えに来ると、階段を下りていく。音で危険を感じるのか、親ツバメが子ツバメの上におおいかぶさっている。

 夫はツバメの親子を孫のように大事にしていて、毎朝「おはよう」とあいさつをしている。悩みはフンが落ち…
https://mainichi.jp/articles/20180617/ddm/013/070/023000c

http://archive.is/5UlkD
タグ:ツバメ
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2018年06月14日

【ゆうゆうLife】家族がいてもいなくても(550) 子育ては、あっさり手早く【産経ニュース2018年6月14日】


 ツバメが渡ってきて、ハウスの軒下を訪れるようになった。

 それがほんの1カ月前のこと。

 ドアの開閉の度にツバメを驚かせずに済むようにと、ハウス長が巣作り用の棚を取り付けて準備をしていた。

 ところが、ツバメはそのいい感じの棚には目もくれず、去年と同じドアの真上の危うい場所で巣作りを始めたのだった。

 泥と枯れ草と唾液なんかでどうして巣がつくれるのだろう、と不思議に思っていたけれど、それはもう、「あっ」という間にできあがった。

 さらに、あれよあれよという間に、ひながかえった。

 小さな巣に5羽のひなの頭がぎゅうぎゅう詰めでみごとに並んだのだ。その早業には、もうびっくりしてしまった。

 ともあれ、ツバメのやってくる家には「幸い」が訪れるという。なにやらワクワクしながら、巣を見上げていたが、ひなはまったく声をたてない。

 どうも親鳥の留守中は、周りに悟られないようじっとしていて、ピーピーと騒がしくするのは、エサの争奪戦の時だけらしい。


 しかも、巣のそばに人がいると、親が近づかない。ひなはエサをもらえない。そっと見ないふりをしていたら、ある日、巣が空っぽになっていた。

 ひなたちが巣立ちの日を迎えて自立してしまい、ツバメの家族はいつのまにか解散してしまっていたのだった。

 思えば、私の部屋の軒先でピヨピヨ鳴いていたスズメのひなの声もぴたりと止(や)んでいる。こちらの家族も、わずか2週間ほどで、解散したらしい。

 目下、色とりどりの花の咲く庭をスズメがしきりと行きかっているけれど、今や、どれが子スズメやら、親スズメやら、もう区別もつかない。

 この空飛ぶ鳥の巣立ちの素早さ、潔さには、ほとほと感心してしまった。

 そんなわけで、すでに家族解散済みの私たちシニアの話もついつい盛り上がる。

 「いつまでも親がエサを与え続けるのは、まずいってことよね」

 「子供を自立させるには、だらだらエサを与え続けちゃ駄目ってことよ」

 どうも、最近は気がめいるような家族内での事件が頻発している。いつまでもずるずると家族を続けているとその分、関係がややこしくなって、いや応なく問題がこじれてしまうのかもしれない。

 子育ては、あっさり手早くがいい。小鳥たちの知恵に、今さらながら教えられてしまうなあ、と思う。(ノンフィクション作家・久田恵)
https://www.sankei.com/life/news/180614/lif1806140006-n1.html
https://www.sankei.com/life/news/180614/lif1806140006-n2.html

http://archive.is/Mv9SB
http://archive.is/0nt5Y
posted by BNJ at 11:09 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

社説 ライチョウ 保護の取り組み強めたい【信濃毎日新聞2018年6月14日】

 絶滅が心配されているニホンライチョウについて、県が生息する5カ所の状況をまとめて保護計画の評価、検証を行った。生息数の目安となる縄張りの数が4カ所で減っており、今後とも効果的な取り組みを続ける必要がある、との結論だ。

 ライチョウ保護は希少動植物を絶滅から救えるかどうかの試金石でもある。国が進める事業と連携して手だてを尽くしたい。

 まとめによると北アルプス常念岳では、かつては82あった縄張りが2015年には40に半減していた。同乗鞍岳、御嶽山、南アルプス上河内岳でもここ10年近くの間に減少。減っていなかったのは北ア白馬岳だけだった。

 県は08年度から生息環境調査、高山の植生復元、ニホンジカ駆除などの対策を進めている。

 県の後を追うように、国は14年度から保護に本格的に乗り出した。▽低地での人工飼育(大町市など)▽ひなのケージ保護(南ア北岳)▽天敵のカラス駆除(乗鞍岳)―などだ。長野・新潟県境の火打山では、えさとなる高山植物を守るためにイネ科の植物を試験的に除去している。

 このうち北岳では昨年、ケージ保護と並行してひなを捕食するテンを捕獲した。前年には15羽放鳥して3羽しか残らなかったのが、昨年は16羽のうち15羽が残り、効果を確認できた。指導している信州大名誉教授の中村浩志さんは「先の見通しがようやく開けてきた」と振り返っている。

 野生動物はいったん絶滅に向かい始めると食い止めるのはなかなか難しい。佐渡のトキは保護に取り組み始めた時は数が減りすぎて絶滅を防げなかった。いま進めている増殖、放鳥は中国から導入した個体を元にしている。

 ライチョウは長野県とその周辺に2千羽弱が生息しているとみられている。いまなら間に合う。取り組みを強める時だ。

 このところ高山帯にキツネ、ニホンジカなど、本来は低地に生息する動物が進出している。常念岳付近ではニホンザルがひなを捕食している様子が目撃されている。対策が急務だ。

 県が昨年、情報提供や啓発活動をするボランティア「ライチョウサポーターズ」を募集したところ約250人が講習を受けて登録された。関心の高まりは心強い。

 ニホンライチョウは人間を恐れない。昔から「神の鳥」として大切にされてきたためではないかと考えられている。文化遺産としても貴重な鳥である。

http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20180614/KT180613ETI090002000.php

http://archive.is/kE1Ee
posted by BNJ at 11:04 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする