スマートフォン専用ページを表示
鳥、野鳥、飼い鳥、その他鳥類全般に関するニュース、新聞記事のスクラップ
2019年01月07日
国の特別天然記念物トキが新潟県佐渡市で初めて放鳥されてから10年が過ぎた。
中国からの導入個体を元にした人工繁殖と放鳥が順調に進み、野生下での生息は推定約370羽にまで増えた。環境省はレッドリストでの指定を現在の「野生絶滅」から、危険性が1ランク低い「絶滅危惧1A類」に見直す方向で検討を始めている。
餌場となる水田を維持し、農薬や化学肥料の使用を抑えるなど、地元が生息環境保全に努めたことが効果を上げた。
かつては東アジア一帯に広く分布していた鳥である。薄桃色の羽根が装飾品に使われた。稲を踏み荒らすこともあり、乱獲されて激減。日本産は2003年に最後の1羽が死んで絶滅した。
いま佐渡市で生息しているのは中国から贈られた5羽を人工繁殖で増やしたものだ。08年から放鳥を開始、自然に戻す取り組みを続けている。野生下の約370羽のほかに、新潟県長岡市、島根県出雲市などで計約180羽が人工飼育されている。
環境省が2年前、野生下で安定的に増える目安として掲げた「20年ごろに220羽」の目標は前倒しで達成されたことになる。
いったんは絶滅したトキが、人の手を借りないでも生存していける見通しが開けつつある。大きな成果である。
農薬や化学肥料をあまり使わない稲作は手間がかかり、収量も少ない。地元はそれでも力を傾けてきた。敬意を表したい。
課題もある。過疎化と高齢化により、水田を維持するのが年々難しくなっている。農地や里山の荒廃が進めば、野生下のトキには厳しい状況になる。
いま生息しているトキは全て5羽の子孫で、遺伝的多様性に乏しい。伝染病などで大被害を受ける心配がある。レッドリストのランクが見直された場合でも、保護を緩めるわけにはいかない。
日本産をどうして救えなかったのか、と改めて思う。
中国からは昨年10月、遺伝的多様性を維持する目的で新たに2羽が提供されている。中国でもトキは一時、絶滅したと見なされた時もあったという。日本に譲ることができるようにまでなった要因の一つは、政府による強力な生息地保全策だった(小林照幸「朱鷺の遺言」)。
社会体制が違う中国の手法はそのままでは応用できない。日本らしいやり方を工夫して、息長く続けることを考えよう。
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190107/KP190105ETI090004000.php
http://archive.ph/ZTwpxトキ、野生絶滅から絶滅危惧種に見直しへ 環境省が検討【朝日新聞デジタル2019年1月5日】
posted by BNJ at 09:55
|
Comment(0)
|
鳥類コラム
|

|
2018年12月27日
不思議な光景を見た。
10月30日朝、コハクチョウの飛来地で知られる川島町八幡の越辺(おっべ)川(がわ)に取材で足を運んだときだ。目指す冬の使者の姿はなかったが、川面一面に次々と小さな波紋が現れ、一瞬きらりと何かが光り、水中に消えていった。
魚がジャンプしている。そう確信した。久喜市の利根川では6月前後に巨大な外来魚、ハクレンの大ジャンプが見られることで有名だが、越辺川でジャンプした魚は、岸辺から10メートル以上離れて見たため、あまりにも小さく正体が分からない。もちろんハクレンではない。
コハクチョウを撮るために持参した望遠レンズ付きのカメラを構え、夢中でシャッターを切った。だが、カメラは被写体をきちんと捉えることはできない。波紋の数は無数にあっても、広い水面のどこに現れるか分からない。捉えたと思った瞬間、姿はもう水の中に消えている。
■ ■ ■
数十枚は撮った写真を確認してみると、ほとんど魚らしいものは写っていない。その中で、ごま粒のように小さな魚体が写真のフレームの端に写っているものが数枚。ぶれた写真を引き延ばして見ると、どうも正体はオイカワらしい。
オイカワはコイ科の魚で雄は産卵期の夏に婚姻色となり、美しく色づく。県内では珍しい魚ではない。岩槻市(現さいたま市岩槻区)で育った子供の頃、川遊びをしていて手づかみした美しい魚を父親に見せると、「ハヤだ」と教えてくれた。ハヤはオイカワの地元での呼び名だった。
雑食性のオイカワは、飛んでいる虫を水中からジャンプして捕らえることが知られている。コイが大きな音を響かせてジャンプしたり、小さな魚が水面を跳ねたりするようにジャンプする姿は見たことがある。だが、今回は魚のジャンプによる波紋が水面を打つ雨のように広範囲に、しかも次々と現れ、その数に圧倒された。
■ ■ ■
自然の懐は奥深いとつくづく思う。いろんな川で獲ったり、見ていたりしたオイカワが、定年を過ぎ、まもなく退職するというこの年齢になるまで全然知らない一面を持っていた。
住まいのある川越市の住宅街にある新河岸川では7月末、台風一過の晴れた午前中にスッポンが岸辺に上がって日光浴をしていた。この川では「空飛ぶ宝石」といわれるカワセミや、鮮やかな黄色が美しいキセキレイも見ることができる。
平成18年秋にはオットセイが川越市内の新河岸川沿いで保護された。体の状態から何十キロも離れた東京湾から新河岸川までやってきたとみられる。このときは、朝から夜まで取材に歩いたが、その姿をカメラに収めたのは捕獲後で、悔しい思いをした。
自然は不思議で、実に多様で美しく、魅力に満ちている。しかも、身近なところでも意外な姿を見せてくれる。目を向ければ見える存在なのに、見ようともしないのは、なんともったいないことだろう。
コハクチョウの取材は11月6日にも越辺川を訪れたが空振り。やっと撮影ができたのは、それから3週間後だった。遠い北の国から渡ってきた真っ白な鳥が目の前で羽を休め、身づくろいする姿を眺めていると、時間の経つのを忘れた。 (石井豊)
https://www.sankei.com/region/news/181227/rgn1812270028-n1.html
http://archive.is/A4PJO
posted by BNJ at 10:27
|
Comment(0)
|
鳥類コラム
|

|
2018年12月22日
庭の木々がすっかり葉を落とした。冬枯れの庭を彩っているのが、山から下りてきた野鳥たち。枯れ枝に止まって、自慢ののどを聞かせてくれる。
ヤマガラはブドウの枝で逆さまになったり、よじ登ったり。かと思うと、カサカサになった枝の皮をくちばしではぎ取る。何をするのか見ていたら、中からびっくりするような大きい虫を探し出し、ぺろりと飲み込んでしまった。
ヤマガラには思い出がある。今年の1月、巣箱をプレゼントした。そして春、ヤマガラの夫婦が引っ越して来てくれた。
コケを運び、巣箱の中でごそごそ動き回っていた。やがて卵を産んだのか、出入りが少なくなった。ひなの巣立ちの頃になったら、カメラで撮影しようと心待ちにしていた。
ところが5月のある朝。親鳥が甲高い声で鳴いている。前の晩の強い風で、巣箱が落下して逆さまになっていた。くくり付け方が甘かったのか。ヤマガラの家族に申し訳ないことをしてしまった。
年が明けたらヤマガラのために実のなる木を植えよう。愛らしいひなの写真は、まだ諦めていない。
(写真部次長 及川圭一)
https://www.kahoku.co.jp/column/desk/20181222_01.html
http://archive.is/5fipc
posted by BNJ at 21:53
|
Comment(0)
|
鳥類コラム
|

|
2018年12月21日
◇…防犯や交通安全を呼び掛けるため宮城県多賀城市中心部で行われたパレード。その終了時、2羽のサギが参加者の頭上を飛んだ。
◇…飲酒運転根絶などを掲げたパレードでは、「振り込め詐欺防止」も訴えた。団体関係者の熱意に、サギも思わず逃げ出したかと思われた。
◇…しかし、見渡せば建物の屋根で羽を休める複数のサギの姿が。摘発されても手法を変えて繰り返される詐欺事件。「消え去ったと思っても油断は禁物」。そんな教訓を与えてくれたのかも。(多賀城)
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201812/20181221_13029.html
http://archive.is/Eb9H8
posted by BNJ at 21:21
|
Comment(0)
|
鳥類コラム
|

|
2018年12月02日
人と野生生物が、無理なく共生できる環境の整備を進めたい。
新潟県の佐渡島で進められているトキの放鳥が10周年を迎えた。
現在、約370羽が野生の下で生息する。放鳥されたトキが生んだ子供たちが過半数を占める。環境省は、2020年ごろに220羽を自然界に定着させる目標を掲げていたが、6月に達成した。
順調な増加は、地元住民を始めとする関係者の協力の成果だ。
淡い紅色の羽が特徴的なトキは、かつて東アジアに広く分布した。日本でも、あちこちで優雅な姿を見せていた。学名は「ニッポニア・ニッポン」だ。
だが、羽毛を目的とする乱獲や、水田への農薬散布による餌の減少などで、生息数が激減した。水田を荒らす害鳥として、虐げられた時期もあった。佐渡島で03年に最後の野生のトキが死んだことで、日本産のトキは絶滅した。
日本が発展する中で、あおりを食って消えた野生生物の代表だ。それだけに、復活事業は、自然環境再生の象徴的な取り組みとして注目されてきた。
現在のトキは、中国から提供された5羽を元にする。人工繁殖を経て、放鳥を繰り返してきた。
年1億円以上の国費が投じられているが、忘れてはならないのは、住民の手助けだ。農薬を減らし、冬も田に水を張って餌のドジョウなどを確保した。市民ボランティアも、トキの観察や餌をついばめる水辺の環境作りに携わった。
絶滅した生き物を復活させるためには、多くの人々の力が必要であることを物語っている。
生息数の増加で、トキの放鳥事業は、人との共生という新たな段階に入りつつあると言えよう。共生の実現に向けた工夫が、これまで以上に求められる。
協力農家が栽培する米は、認証米として販売されている。そのブランド価値を高め、売り上げを増やすことが、生産者の意欲向上につながる。農家の高齢化が進む中、トキの増加に伴って水田の作付面積をどう増やすか、は難題だ。
本州に飛来して定着するトキも、今後は現れるだろう。その際は、佐渡島でのノウハウを最大限に生かす必要がある。
北海道鶴居村では、タンチョウの保全に力を注ぐ。兵庫県豊岡市でも、コウノトリを守る活動が盛んだ。個体数が回復するにつれて、生息地の確保や農作物への被害といった課題が顕在化している。
情報を交換しながら、共生へのより良い方策を探りたい。
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20181201-OYT1T50145.html
http://archive.is/RhOmz
posted by BNJ at 10:44
|
Comment(0)
|
鳥類コラム
|

|
BirdNewsJapanについて
eメール
birdnewsjapan@gmail.com
地方紙の記事は1ヶ月程度で消えるものも多く、検索結果は表示されても記事を見ることができません。
報道について再考、検証しようとしてもソースがありません。
こういった経験から、愛好する鳥類に関するニュースをストレージしようと思い、当ブログを立ち上げました。
「著作権法第10条 2 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第一号に掲げる著作物に該当しない。」及び「著作権法第32条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」の範囲内で行っています。
速報を心がけていますが、日付が後追いになる場合もあります。
同内容の記事の別ソース版は、告知せず最初の記事に追記します。
カテゴリ、タグは便宜的なものです。
鳥インフルエンザ(野鳥/養鶏畜産)、コウノトリ(野鳥/動物園・飼育施設)のようなカテゴリが重複する記事については、管理人の主観でカテゴリ分けをしています。
オウサマペンギン、キングペンギンなど同種の別呼称は、元記事に従ってタグ付けしています。
内容について詳細に調べたい方は「サイト内検索」をご利用ください。
リンク集としてもお使いいただけます。リンクフリーです。
ご意見、情報は上記のアドレスまで。
カテゴリ
過去ログ
新聞社/ニュースサイトリンク集