2018年11月24日

男の気持ち 北帰行 鹿児島県出水市・谷口歩(団体職員・47歳)【毎日新聞2018年11月24日】

 地元テレビ局の夕方のニュースに父が登場したことがある。インタビューの背景は初夏の青田である。例年だと3月末には一区切りがつく、鶴の北帰行から取り残された1羽の雄の発見者だった。画面に映る鶴は、羽がボサボサで泥まみれだ。

 父は日焼けした猫背のおじいさん。父もまた帰るべき場所に向かうタイミングを逃してぼうぜんとしている老人に見えた。

 その年の秋、テレビ局から譲り受けたDVDを見ている私の背後から父が声を掛けてきた。「スタイリストが…
https://mainichi.jp/articles/20181124/ddp/013/070/008000c

http://archive.is/XKnA6

タグ:出水
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コウノトリが運ぶ夢 諫早支局長 山本 敦文【西日本新聞2018年11月24日】

 諫早湾干拓農地(長崎県諫早市)にこの秋、国の特別天然記念物のコウノトリが白い翼を広げて舞い降りた。両足にリングが付いている。日本野鳥の会によると兵庫県豊岡市で放鳥された証しだという。

 豊岡市のNPOで、放鳥後のモニタリングを続ける「コウノトリ湿地ネット」事務局に連絡すると、職員の弾んだ声が返ってきた。

 「その子は6月にここを巣立って、一時は岡山県倉敷市にいたんですよ。でも西日本豪雨の後に行方不明になっていて…。良かった。無事だったんですね」

 「赤ちゃんを運ぶ鳥」と親しまれているコウノトリだが、国内の野生鳥は乱獲などで1971年に絶滅している。豊岡市は、その最後の生息地だった。屋内施設による人工飼育も試みられたが失敗。85年に旧ソ連から贈られた幼鳥を市の飼育員が育てて数を増やし、2005年に最初の5羽が試験放鳥されている。

 現地を訪ねた。日本海側の但馬地方、人口約8万人の街は山に囲まれ、円山川がゆったりと中心を流れる。

 コウノトリの生息地は人々の集落に接する里山だ。松林に巣を作り、田んぼや河川敷で魚やザリガニなどを長いくちばしでついばむ。野生復帰に合わせ、市は「コウノトリもすめる」環境を整えた。

 農家に委託して休耕田に水を張るビオトープ水田や無農薬米栽培を広げたほか、圃場(ほじょう)整備中だった水田を買い取り人工湿地を整備。01年に現在の中貝宗治市長が就任してからは取り組みが加速し、市の農林水産部は「コウノトリ共生部」に組織再編された。

 国や県も協力し、円山川の河川敷を掘削して湿地に変えたり、水田と水路を結ぶ魚道を整備したりした。

 「水田を荒らす害鳥だ」という反発もあったが、円山川下流域は12年にラムサール条約の保全湿地になり、今年10月には上流域へとエリアを拡張。その記念イベントが今月10日にあり、中貝市長は「今ある環境の保全は市が開発を禁止すればできる。だが、失われた環境の再生には多くの市民の対話と共感が必要」と強調した。市はコウノトリと人の共生を目指し、エコツーリズムなどを推進する「環境経済戦略」も掲げる。

 湿地ネットによると、野生復帰を果たしたコウノトリは現在約150羽。その半数が古里の豊岡盆地を離れ、全国各地の空を舞っている。

 諫早湾では潮受け堤防閉め切りで希少生物の宝庫だった干潟などの環境が失われ、長引く訴訟で「対話」は途切れたままだ。コウノトリの目にこの土地は、どう映ったか。
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/weather_vane/article/468014/

http://archive.is/p4uay
タグ:コウノトリ
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2018年11月13日

行き場を失ったツル【宮崎日日新聞2018年11月13日】

 鹿児島県の出水平野に飛来したツルの今季初めての羽数調査が11月初旬に行われ、7779羽を確認した。10月18日に最初の2羽が到着、今月になって急激に羽数を増した。

 南日本新聞によると調査を実施したのは地元中学校のツルクラブ部員、県ツル保護会の総勢100人。夜明け前から荒崎、東干拓休遊地の計測ポイントに陣取って、ねぐらから飛び立つ群れを目視や双眼鏡で追いかけながら計数器を押し続ける作業は神経を使う。

 衆参両院予算委員会での審議で、野党側は入管難民法などの改正案による外国人労働者受け入れ拡大を「移民政策」と追及。安倍首相は「移民政策を採るわけではない。人手不足が過熱する中で新たな制度設計をしている」と答弁した。

 「移民政策」ではなく「新制度」と首相が主張するのは、移民に反対する保守層に配慮しつつ経済界や地方の要望に応える狙いがあるからだ。官邸筋は「移民を入れる、と言った瞬間に政権は行き詰まる」と予測する。さすがの首相もツルの一声でことを運べない。

 1952年、ツルの飛来地として国の特別天然記念物に指定された出水に、行き場を失ったツルがどんどん集まるようになった。すさまじい過密化によるリスクを減らすため分散化の努力も続く(ナショナル ジオグラフィック9月号)。

 日本で働きたい外国人と人口減で収縮する日本社会は、双方ともに利のあるウィンウィンの関係である。首相は神経をすり減らすほど見極めて決めなければならない。外国人労働者のための門戸をどのタイミングで、どれだけ開くか、を。
http://www.the-miyanichi.co.jp/kuroshio/_35523.html

http://archive.is/tRCCK
タグ:出水
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2018年11月10日

小社会 ナベヅルが四万十市に続いて香長平野にも飛来。高知…【高知新聞2018年11月10日】

 ナベヅルが四万十市に続いて香長平野にも飛来。高知市内の田んぼにはマナヅルも。最近の高知新聞にツル飛来の報が相次いだ。県内の野鳥愛好家からは「今年はツル飛来の当たり年になるかも」という期待も聞かれる。

 「鶴の舞」という早春の季語があるように、ツルの姿は優美だ。雌雄が向かい合って羽ばたき、空を向いて鳴き合う。このダンスは繁殖期以外でも見られるから、求愛とは限らない。

 近年はあまり聞かないが、「焼け野の雉子(きぎす)、夜の鶴」ということわざがある。キジは巣のある原が燃えていれば、身の危険を顧みずひなを助けに戻る。ツルは霜の夜、自分の翼で子を覆い温める。子に対する親の情愛の深さをいう。

 「鶴の舞」や「夜の鶴」などの言葉は、ツルが日本各地の湿地帯や水田にやって来ていた証拠だ。が、宅地開発などで越冬地は激減。現在、鹿児島県の出水平野で、毎年1万羽以上が越冬している。極端な一極集中だ。

 過密化が進むと、心配されるのが感染症による大量死。種の存続が危ぶまれる事態にもなりかねない。環境省などは一極集中を緩和しようと、4カ所の候補地を選び分散させる計画を掲げた。四万十市もその一つだ。

 「四万十つるの里づくりの会」の関係者や市民は、ツル「飛来」の向こうに「越冬」を見据えていよう。だがなにせ相手は野生の鳥。「鶴は千年」の長寿を信じて、温かく見守るしかないのか。


11月10日のこよみ。
旧暦の10月3日に当たります。ひのえ うま 九紫 赤口。
日の出は6時32分、日の入りは17時07分。
月の出は8時43分、月の入りは19時11分、月齢は2.5です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で1時02分、潮位14センチと、13時15分、潮位82センチです。
満潮は7時40分、潮位182センチと、18時53分、潮位182センチです。

11月11日のこよみ。
旧暦の10月4日に当たります。ひのと ひつじ 八白 先勝。
日の出は6時33分、日の入りは17時06分。
月の出は9時38分、月の入りは19時58分、月齢は3.5です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で1時35分、潮位18センチと、13時48分、潮位90センチです。
満潮は8時18分、潮位174センチと、19時21分、潮位174センチです。
https://www.kochinews.co.jp/article/230519/

http://archive.is/0y30F
タグ:ナベヅル
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2018年11月09日

(福岡伸一の動的平衡)翡翠の礼儀正しさ【朝日新聞デジタル2018年11月9日】

福岡伸一さん

 ハサミを手渡す時は、指穴を相手側に、刃先を手元側に持ち直すこと。誰に教えられることなく、いや正確には、親や教師から言われて、私たちはこんなマナーを身につける。

 この前の休日の午後、野川が多摩川に合流する兵庫島のほとりを散歩していたら、水際を一直線に渡る、光る緑の軌跡を見た。翡翠(かわせみ)である…
https://www.asahi.com/articles/DA3S13759487.html

http://archive.is/q0taN
タグ:カワセミ
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